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¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1987: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Research Abstract |
ブルーム症候群(BS)は, 高発癌性疾患として知られ, その最も著しい細胞学的特徴は高頻度姉妹染色分体交換(SCE)(細胞当り70SCE)である. 我々は, BSと正常の混合培養の研究においてBSの高頻度SCEが混合培養1日目においてすでにもともとの70SCEから35SCEまで減少する事実を観察し, 細胞と細胞が密着している時にのみ正常細胞からBSへ何等かのメタボライトが移ることを示し, BSにおけるヌクレオシドプール欠損を暗示し, 本研究では各ヌクレオシド(dA,dG,dC,T)の影響を詳細に調べた. これまでBS細胞SCEは, Tにより70SCEから約35SCEまで, dCにより70SCEから約55SCEまで減少し, dA,dGはSCEを70から90レベルまで上昇する事実を得ている. これらの結果からBS細胞にはTプールの著しい減少が考えられるが, SCE測定にあたりBUとTを2細胞世代取り込ませる方法ではBUとT(analogue)の取り込みにCompetitionが起こり, BUの取り込み量の減少がBS SCEを減少させた疑いも考えられる. S_1にBUラベルされたBS細胞はS_2にBUを除いてもSCE頻度はS_1,S_2共にBUラベルされた場合と同じ高頻度(70SCE)SCEを呈したが, 本年度の研究ではBS細胞をあらかじめ第1回目S_1のみをBUラベルし, BUを取り除いた2回目のS_2でT(100μM)のみを加え(すなわち, BUをtemplateにDNA合成を行うとき)てSCEへの影響を調べたが, その効果は2サイクル継続的に取り込ませた時とほとんど差が70から35SCEまで減少する事実を得, BS細胞におけるチミジンプール欠損の強力なevidenceを得た. さらに本年度の研究では高速液体クロマトグラフ法でもTのプール測定により, これを裏付けるデータを得ており, 現在BS SCEに関する遺伝子の染色体座位を同定しつつある. 本年度購入したバイオハザードキャビネットは本研究には非常に有意義だった.
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