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¥4,300,000 (Direct Cost: ¥4,300,000)
Fiscal Year 1987: ¥4,300,000 (Direct Cost: ¥4,300,000)
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Research Abstract |
1.モノクローナル抗体(mAbと略す)を用いた新しい細胞表面抗原の精製法を開発した. mAbをアフィニティーカラムに応用した場合, 腫瘍特異抗原などの弱い抗原系ではmAbの抗原保持力が弱く抗原の精製は難しい. また, ゲル瀘過, あるいはイオン交換クロマトグラフィーなどの通常のカラム操作による精製では回収率が低く, また長時間の操作による活性の消失などの危険がある. そこで, われわれは, 高い純度の細胞表面抗原を迅速に高収率で得ることを目的としてビオチン化IgGmAbを用いた2段階精製法を開発した. 2段階精製法による放射線白血病ウイルス(Rad LV)誘発白血病B_6RV_2の固有抗原の抽出, 精製は次のとうりである. われわれはすでにB_6RV_2で免疫した同系マウス由来の脾細胞からmAb NU7ー99を得ているが, この抗体はB_6RV_2固有抗原を認識することを明らかにしている. そこで, ビオチン化NU7ー99mAbをB_6RV_2と反応させた後にNPー40により可溶化した. 得られた可溶化物をプロテインAーアフィプレップカラムにアプライして固有抗原と抗体の複合体を得た. これを, さらに, アビジンーアガロースカラムに吸着させ, 固有抗原のみを得た. 2.次に, 得られたB_6RV_2固有抗原の生化学的性質を解析した. 1)SDSーPAGEと銀染色による染度の解析で97Kと85Kの2本の主なバンドが認められた. この他には, 55K以下に数本の弱いバンドと200K前後に2本のバンドを得た. 2)蛋白ブロットによる結果からNU7ー99は97Kと85Kの分子と反応した. また, NU7ー99は200K前後の2本のバンドとも反応した. 3)97K,85K分子はin vivoで抗腫瘍免疫原性を示した.
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