Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増井 恒夫 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (10190349)
今井田 克己 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (90160043)
白井 智之 名古屋市立大学, 医学部, 講師
伊東 信行 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (00079956)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1987: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
6週令のF344ラットを用い, エチニール エストラジオールを含有する飼料を3週間ついで基礎食を2週間の飼料サイクルを1群には10回, 2群には5回, 3群には3回繰り返した. いずれの群も基礎食に変えた3日目にDMABをそれぞれ50,100,167mg/kgで皮下投与し, 60週間後に屠殺解剖した. その結果, 前立腺癌の発生は1群で51.8%, 2群で36.8%, 3群で30.0%であり, 前立腺異形成は82.1%, 86.8%, 72.5%と, DMABの一回投与量を少なくし長期間投与する方が, 大量短期間よりも前立腺癌の発生には有効であることが判明した. ラット前立腺癌発生に対する高脂肪食およびβーカロチンの修飾作用を検討した. 3週令のF344ラットにDMABを150mg/kgの量で週1回, 3週間にわたって皮下投与し, 実験開始後18週目より1群には0.01%βーカロチン含有食(4.5%コーン油添加)を, 2群には高脂肪普(20%コーン油添加)を, 3群には0.01%βーカロチン含有高脂肪食を, 4群には対照食(4.5%コーン油添加)を42週間与え, 全経過60週で実験を終了した. その結果, 前立腺癌は4群に1例みられたのみであった. 前立腺異形成の頻度は各群35.2%,36.0%,30.4%,50.0%と差はなく, この実験系に於いては前立腺発癌に対しβーカロチンと高脂肪食(不飽和脂肪酸)の明らかな修飾作用はみられなかった. DMABで誘発したラット前立腺病変について免疫組織化学的にグルタチオン Sートランスフェラーゼの胎盤型(GSTーP)の局在を検索した結果, 異形成並びに癌のいずれにもこの酵素の特異的な上昇はみられなかった. またBrdUの核内取り込み率を指標にして細胞増殖態度を検討した結果, 異形成および癌は周囲の非腫瘍性上皮に比し約10倍の標識率を示し, 両者は盛んに増殖していることが判明した.
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