Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大手 桂二 京都府立大学, 農学部, 教授 (20046444)
駒村 富士弥 三重大学, 生物資源学部, 教授 (30024540)
武居 有恒 京都大学, 農学部, 教授 (80026400)
竹下 敬司 九州大学, 農学部, 教授 (20117154)
栃木 省二 広島大学, 総合科学部, 教授 (40036695)
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Budget Amount *help |
¥6,600,000 (Direct Cost: ¥6,600,000)
Fiscal Year 1987: ¥6,600,000 (Direct Cost: ¥6,600,000)
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Research Abstract |
1.地質・地形的要因からみた崩壊・土石流の調査が実施された. まず, 大規模な土石流堆積物の特徴を河川地形の特徴との関連から明らかにした. たとえば, 狭窄部に挟まれた堆積地の入口部分と出口部分に巨礫が分布し, 平均粒径も大きくなるのに対し, 堆積地の中央部分は粒径が小さくなることが明らかとなった. また, 風化や集中豪雨などによる土砂災害と, 気候変化や人間き営みなどによる森林の変化が, ある規模以上に達したり, 繰り返したりすることによる地形破壊の痕跡(崩壊など)や土砂蓄積(扇状地, 天井川, 自然堤防など)を地形で識別する研究が, 種々の事例を通して行われた. 2.樹木根系の斜面安定効果に関して, 実地調査を中心に検討した. その結果, 崩壊面内での根系の直接的杭効果と根系の土層緊縛効果については, 従来考えられていたほどの効果は認められなかったが, 圧縮に対する抵抗力は根系の増大 によって増加することが期待された. 3.水文条件からみた森林の防災機能に関連して, 豪雨の際のA_0層, A層上部における降雨の浸透, 貯溜機能を解析し, 林相および林地表層土壌の違いによる崩壊発生の危険性について検討した. 対象地は風化花崗岩地域で, 約30年生ヒノキ林および約80年生スギ林である. 4.森林, とりわけ斜面上に帯状に存在して土砂扞止効果を発揮する樹林帯に着目し, その効果を判断する指標を得るための模型実験を行った. その結果を解析して, 樹林帯の影響を考察した土砂残留計算式を誘導するとともに, 立木間隔, 土砂粒径, 斜面傾斜角等によって異なる樹林帯の土砂扞止効果について考察を行った. 5.樹木による土石流の扞止を目的として, 土石流の衝撃力の予測, 樹木の耐力および扞止に必要な樹木の密度について考察を加えか. 衝撃圧は衝突した流体内に生じる圧縮の反力とした.
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