波長可変色素レーザー発振周波数の超高安定化に関する調査
Project/Area Number |
62041033
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Research Category |
Grant-in-Aid for Overseas Scientific Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | Field Research |
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
宅間 宏 電気通信大学, レーザーセンター, 教授 (70012200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
J L ホール 米国NBS, JILAフェロー
清水 和子 電気通信大学, 助手 (30017446)
清水 富士夫 東京大学, 工学部, 教授 (00011156)
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Project Period (FY) |
1987
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1987)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 1987: ¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
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Research Abstract |
本研究グループによって開発された超自然幅レーザー分光法は,可視光の領域で,従来究極のスペクトル幅と考えられていた自然幅よりも狭い線幅でスペクトルの観測を可能にし,最近リチウム原子のD線の超部細構造を完全に分離し, 正確な測定・を行うことに成功した. この方法がその可能性を十分に発揮し得るか否かは, 波長可変色測レーザーの周波数安定性を何如に高め得るかにかかっている. 本調査の目的は, 世界最高のレーザーの安定化技術の蓄積を持つJ.L.ホール博士の研究室の最新の技術を調査し, 同博士の協力のもとに色素レーザー高安定化システムの最適化設計を行うことに依って, 上記超自然幅分光法を原子物理学に大きなインパクトを与えるものとすることである. 色素レーザー周波数安定化の方法は,JILAのJ.L.ホール博士の研究室で長年に渡って研究され,市販の安定化色素レーザーもここで開発された方法を用いており,周波数安定度は約2ー3MHzである. これよりも高い安定度が必要な場合,KHzオーダーの安定度でよい場合には市販のレーザー出力を外部変調によって更に安定化する方式が最適な方法と考えられる. Hzオーダーの安定度が必要な場合には色素レーザーの共振器内部に変調素子を挿入し高速のフィードバックをかけて発振周波数を制御する. いずれの場合にも周波数の基準となる物が必要で,発振周波数の基準周波数からのずれを検出してフィードバックをかけるという基本的な方式は同じである. 周波数の基準としては従来は原子のスペクトルが用いられていたが,任意の周波数が選べないという不便さがあるので最近は超高安定な光共振器が用いられており,最終的にはその安定性が色素レーザー発振周波数の安定度を決めることになる. 本研究ではまず〜5KHzの周波数安定度に目標に,外部変調方式による安定化システムを製作することにした. これはレーザー発振周波数の変動のうち比較的遅い大きな周波数のずれを音響光学素子を用いて補正し,高速の成分は応答速度の早い電気光学位相変調器によって補正するシステムである. この方式により〜20KHzの安定度が得られていたが,今回の調査研究の一環として,ホール博士の研究室で共同研究を行った結果〜5KHzの安定度が得られるように成った. 現在我々の研究室において同様なシステムを作る為の準備を進めており変調素子や高速高圧用のオペアンプ等を購入し,高安定な光共振器を設計中である. 超自然幅分光法の実験を行う為の真空装置やエレクトロニクスは既存のものが使用可能であるから安定化システムが完成すれば直ちに実験が可能な状態を実現し得た. この階段で安定化技術の経験を積み次に数Hzの周波数安定度を得るために, レーザー共振器自体の最適設計,超高安定光共振器の設計製作,色素の循環系の改良を行う予定である.
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Report
(1 results)
Research Products
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