Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DIPIKA Kaul インド国立アラハバード大学, 動物学部, 教授
RAGHOW Ram T インド国立アラハバード大学, 動物学部, 講師
S.S Ahmed パキスタン国立シンド大学, 動物学部, 教授
NALINI Jayas スリランカ国立医学研究所, 衛生昆虫部, 部長
MOHAMMED Afz パキスタン自然史博物館, 動物学部, 昆虫科長
岩佐 光啓 帯広畜産大学, 畜産学部, 助手 (00168551)
堀尾 政博 産業医科大学, 医学部, 助手 (90131937)
稲岡 徹 旭川医科大学, 医学部, 助手 (00091562)
上宮 健吉 久留米大学, 医学部, 講師 (40080965)
斉藤 一三 横浜市立大学, 医学部, 助手
篠永 哲 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (00013938)
倉橋 弘 国立予防衛生研究所, 衛生昆虫部, 室長 (00100074)
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Research Abstract |
南西アジア(パキスタン, インド, ネパール, スリランカ, バングラデシュなど)は動物地理学や生物の進化を探る宝庫とされているが, 昆虫類の実態については分かっていない. 本調査は, この空白地帯で外国調査隊として初めての双翅類昆虫の現地調査を行ない, 新種, 未記録種, 衛生上重要な種などを明らかにし, 分類上の知見を増進すると共に, これら昆虫群の日本との生物地理上の関連について明らかにすることを目的とする. 昭和62年7月13日から8月17日に至る36日間は, 上村, 倉橋, 篠永, 斉藤, 上宮, 稲岡, Afzal, Ahmedの8名が, パキスタン国北部山岳地帯のナチアガリ, ナラン, バラコート, ギルギット, フンザ, グルミット, チラス, スワット, ヂールに滞在し, 各自の分担対象昆虫の現地調査を行なった. 次いで上村, 倉橋は8月19日から8月23日にかけての6日間, ネパール国カトマンズ, チトワンに滞在し, 8月25日から9月1日に至る8日間, インド国北部山岳地帯のレー, スリナガルに滞在し, 同様に謙翅類昆虫の現地調査を行なった. 9月2日から9月22日に至る21日間, 上村, 倉橋, 堀尾, 岩佐, Tewari, Kaulの8名は, インド国中部山地のアラハバード, ジャバルプール, アマルカンタク, タラ, ロナバラ, ボンベイに滞在し, 各自の分担対象昆虫の現地調査を行なった. 次いで9月23日から10月6日の14日間, 上村, 倉橋, 堀尾, 岩佐, Jayasekeraの5名はスリランカ国のコロンボ, ヌワラエリア, ラトナプーラに滞在し南部山岳地帯で同様に現地調査を行なった. 採集した昆虫資料は日本に持ち帰り, 一部のものを除いて標本の作成を終了し, 分類群別の整理を各分担研究者によって進めており, ほとんどのものが研究に供しうる状態になっており, 一部はすでに公表したが, なお多くのものが研究中であり, 今後, 遂次論文にまとめていく予定である. 双翅目昆虫の南西アジアにおける初めての外国調査隊として注目を集め, NHKラジオニッポンでも, 昭和62年10月31日に, ウルズウ, ヒンズー, スワヒリ語にて各々30分間の調査紹介がなされた. また, スリランカ国から持ち帰ったオオカ属の2種のコロニー化にも成功した. 5000mのパキスタン・中国国境での蚊やハエの記録, また蚊類約40種, アブ類約30種, イエバエ類37種(3新種)を含むなど動物地理学上興味深い事実が明らかになった.
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