Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
主 一謀 蘭州沙漠研究所, 副教授
陳 荷生 蘭州沙漠研究所, 副教授
邸 醒民 蘭州沙漠研究所, 副所長
中野 芳輔 九州大学, 農学部, 助手 (60038320)
天谷 孝夫 岡山大学, 農学部, 助教授 (80033265)
古川 郁夫 鳥取大学, 農学部, 助手 (50032313)
井上 光弘 鳥取大学, 農学部, 助手 (90032309)
本名 俊正 鳥取大学, 農学部, 助教授 (90093624)
吉田 勲 鳥取大学, 農学部, 助教授 (40038237)
山根 昌勝 鳥取大学, 農学部, 助教授 (50032066)
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Research Abstract |
本研究は, 砂沙漠の農業水利開発に関する指針を確立することを目的として, 中国科学院蘭州沙漠研究所を共同研究機関として行うものである. 各種の潅漑水源を利用した場合の作物生育に及ぼす影響を土壌学, 水文学, 潅漑排水学, 作物栄養学および作物学的見地から総合的に検討することを第一の研究目的とする. また, 土壌調査を行って耕地利用のための土壌の基本的性質を明らかにするとともに, 塩類集積の発生と拡大機構の調査を行う. さらに, ランドサットデータをリモートセンシング解析することによって耕地や沙漠防止のための牧野としての適地判定を行うことを目的として, 解析に必要なグランドトゥルースデータの収集を行う. 日本側研究者を2名ずつの4グループにわけ, 7月から10月にかけて蘭州沙漠研究所の沙坡頭実験所および科尓沁実験所とその周辺地域において, 次のような研究を遂行した. ○砂地開発のための水資源利用 沙坡頭実験所の圃場に地下水潅漑, 河川水潅漑および汚水の処理水灌漑実験区を設定し, 大豆栽培のもとで, それぞれ, 点滴潅漑, 地表潅漑, 点滴漑を適用した. 降水量, 潅水量, 蒸発散量, 深部浸透量の水収支を一定期間にわたって測定した. また, 実験開始前, 開始後の窒素, 燐酸, カリウムの土壌含量を実験区の各層毎に測定した. さらに, 植被面の微気象特性を把握するとともに, 熱収支の手法を用いて, 水収支項の中の蒸発散量を推定した. 水分移動・溶質移動モデルによるシミュレーション解析の検証のために, 根群域内の土壌水分の連続測定を行った. ○耕地開発利用のための土壌管理 沙坡頭実験所, 科尓沁実験所の圃場およびその周辺地域の土壌調査を行い,塩類土壌の分布, 断面形態の特徴を調べるとともに, 物理・化学的性質, 一次鉱物・粘土鉱物組成などについて分析し, 耕地利用のための土壌の基本的性質を明らかにするための土壌採取をった. また, 各種潅漑法の適用と塩類集積および除塩との関係握ることよって塩水あるいは河川水利用による耕地開発利用のための水管理法および土壌管理法を確立することを目的として, waterloggingの発生と拡大について調査を行った. ○耕地保護のための沙漠化防止 科尓沁実験所の周辺に存在する科尓沁沙漠を調査対象として, 植生タイプの分布, 土地利用状況, 樹木や破覆植物の同定と生長量の調査, さらに, 牧野地, 湧水地, 牧畜用有用植物群落など牧野環境の調査, 土壌タイプやその分布状況の調査, 地表水や地下水に関係ある植物群落や地形的特徴など, リモートセンシング解析に必要なグランドトゥルースデータの収集を行った.
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