Project/Area Number |
62041105
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Research Category |
Grant-in-Aid for Overseas Scientific Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | Field Research |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 和男 東京大学, 海洋研究所, 教授 (10013559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天野 一男 茨城大学, 理学部, 助教授 (00125791)
林田 明 同志社大学, 理学部, 助教授 (30164974)
岡田 尚武 山形大学, 理学部, 助教授 (80111334)
巽 好幸 京都大学, 理学部, 助手 (40171722)
新妻 信明 静岡大学, 理学部, 助教授 (80005818)
斉藤 常正 山形大学, 理学部, 教授 (90111335)
末広 潔 千葉大学, 理学部, 助教授 (20133928)
岡田 博有 静岡大学, 理学部, 教授 (60037182)
高山 俊明 金沢大学, 教養部, 助教授
酒井 英男 富山大学, 理学部, 助手 (30134993)
木下 肇 千葉大学, 理学部, 教授 (10110347)
小沢 一仁 東京大学, 理学部, 助手 (90160853)
木川 栄一 学術振興会, 特別研究生
藤井 敏嗣 東京大学, 地震研究所, 助教授 (00092320)
上田 誠也 東京大学, 地震研究所, 教授 (60011459)
藤本 博己 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (50107455)
玉木 賢〓 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (50188421)
酒井 均 東京大学, 海洋研究所, 教授 (00033126)
瀬川 爾朗 東京大学, 海洋研究所, 教授 (60013570)
平 朝彦 東京大学, 海洋研究所, 教授 (50112272)
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Project Period (FY) |
1987
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1987)
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Budget Amount *help |
¥17,000,000 (Direct Cost: ¥17,000,000)
Fiscal Year 1987: ¥17,000,000 (Direct Cost: ¥17,000,000)
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Research Abstract |
掘削船が昭和62年度中に掘削するインド洋の掘削孔について掘削船上に分担者を送って, 採取された試料及び測定された諸データを即刻直接研究する.またすでに掘剤採取されて陸上各地に集積整理されている試料及び資料を最寄りの地点に出かけて各国の研究者と共同して解析し, 研究する. インド洋は日本から遠いため通常の研究船では稀にしか訪れる機会がないが, 地球科学上多くの重要な鍵となる問題の解答を含み, 海底資源の観点からもきわめて重要な海域であるので, 本調査によって同海域の理解を深め, 日本の研究者の関心を高める.また, 諸外国の研究者との協同研究を進んで新しい視点と手法を学びとる. 昭和62年度における掘削船ジョイデス・レゾリューション号のインド洋・南極海域の6航海に分担者を13名参加させて掘削現場から最新の情報と多数の試料を持ちかえることができた. 特に, 北西アラビア海の第117次航海には分担者の新妻が主席研究員を務め航海と研究の指揮をとり, 本研究調査の目的に沿った成果をあげた. インド洋の海底は日本から地理的に遠いだけの理由で日本人による直接の調査が従来ほとんどなされていなかったが, 今回の研究の結果, その遅れを大幅に取り戻すことが出来たと言えよう. 例えば, インド洋北部の海底堆積物中に含まれる重鉱物や粘土, 花粉等の分析からヒマラヤ山脈が隆起して, 現在の高さに近くなったのは, これまで予想されていたように第四紀のことではなく, 少なくとも約2千年前(中新世前期)であったことが証明された. ヒマラヤによるジェット・ストリームの大蛇行とそれによっては惹き起こされる東南アジアのモンスーン(日本の梅雨)の始まりもそれに伴ってかなり古いことも海底に堆積している陸源の粘土鉱物の分析等から明らかにされつつあり, 地球上の古気候, 古環境の研究に対して大きな衝撃を与えるものとなった. 南極海のプリッツ湾では南極氷床の発達開発がこれも従来予想されていたよりもかなり古いことが, 掘削試料の解析から判明した. これも全地球的古環境変動の研究に重要な鍵を与える事実の一つとなるであろう. インド洋中部の海底に露出している海嶺と断列帯の掘削からは海底マントル直上までの海底地殻の連続鉛直試料を採取することに成功した. この試料の共同研究からも海底の岩石学的, 化学的性質が詳しく調べられると共に, 海洋底の生成と発達の歴史を精密に探ることが出来ると期待されている.
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