Budget Amount *help |
¥4,300,000 (Direct Cost: ¥4,300,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1987: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
|
Research Abstract |
遺伝子操作菌を用いたペプチドホルモン,リンフォカイン等の生産が世界的に注目されている. これらの有用物質を連続的にかつ効率的に生産するためには,バイオリアクターによる遺伝子操作菌培養の連続モニタリングならびに目的生産物のオンライン計測が必要不可欠である. そこで本研究では研究代表者のもとで開発されたバイオセンサーをバイオリアクターによる遺伝操作菌を用いた有用物質生産のオンラインモニタリングに適用し, 高度にコントロールされたバイオリアクターシステムを構築し効率的なバイオプロセスを設計することを目的とした. まずフィヒター教授のもとでコンピューターで制御された最新のバイオリアクターを用いて酵母の培養とそのモニタリングを試みた. 酵母はタンパク質を細胞外に分泌できることから,遺伝子組換え技術を用いた外来性ペプチド生産を行う際の最も注目されている宿主である. 本リアクターはコンピューターにより通気量,温度,撹拌連度が制御されており,また各種センサーにより溶存酸素,pH,溶存二酸化炭素,気相中の酸素,二酸化炭素濃度が連続モニタリングできる. 特にエタノールは質量分析機を用いて連続的に測定できる. しかし酵母の培養過程で最も重要視されているグルコース濃度はバイオセンサーを用いない限り測定できないことがわかった. また質量分析機によりエタノール測定は大変複雑で高価であるため,簡易でしかも安価なバイオセンサーによる測定の方がすぐれていることがわかった. また,組み換え菌培養においてはリアクター内の菌体量は重要な因子であり,これを測定するセンサーも開発が急務であることが明らかとなった. 一方,東工大において開発されたグルコース測定用のバイオセンサーをバイオリアクターのモニタリングに用いるためには,無菌サンプリングシステム,自動校正機能,自動希釈機能が本センサーに必要であることがわかった. 特に,無菌サンプリングシステムではセラミックフィルターを用いることが有効であると考えられた. さらにリンフォカイン測定のためのバイオセンサーシステムの開発も行った. 本年度は,インターロイキンII(ILII)測定用センサーに用いるILIIレセプターの定量をバイオイメージセンサーを用いて行えることを確認した. 今後,定量化されたILIIレセプターを用いるILII測定用バイオイメージセンサーが開発できることがわかった.
|