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¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 1987: ¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
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Research Abstract |
本研究課題では, PCA材(第一壁構造用候補材)の高温における非弾性特性に関して, 特に, その温度依存性と多軸応力下における繰返し変形挙動を検討し, あわせて他の高温構造材料との比較検討を行った. 1.PCA材の温度依存性 常温から700℃付近までの温度領域でひずみ速度の大きい(ε=0.5%/s)引張試験を行い, 流動応力と加工硬化特性を調べた. その結果, PCA材は温度の上昇にともなって軟化するという一般的な傾向の他に, 300℃から500℃付近で耐力,流動応力ともに一時的に増大し, 動的ひずみ時効によると考えられる加工硬化が観察された. また, 同じオーステナイト系ステンレス鋼であるSUS304鋼と比較すると, PCA材は, 特に高温領域での強度が優れていることが確認された. 2.繰返し変形におけるひずみ範囲依存性 温度を600℃一定として, 単軸応力下でひずみ範囲を増大あるいは変動させる実験を行った. その結果, ひずみ範囲が大きくなると, 応力の応答も増大するが, 繰返し硬化が完了したときの応力範囲は, 先行変形のひずみ範囲にかかわらずほぼ一定の値を取り, ひずみ範囲に依存した固有の値を持っていることがわかった. 3.多軸応力下におけるひずみ経路依存性 引張ー〓り組合せ応力状態で, ひずみ空間で円形をなす経路を設定し, 先の単軸繰返し変形試験との比較を行った. その結果, 単軸下の変形に比べて多軸応力状態では, さらに著しい硬化挙動が観察された. また, SUS304鋼と比較しても, ひずみ範囲依存性, ひずみ経路依存性とも繰返し硬化が大きく, 多軸応力下の繰返し硬(軟)化挙動を精度良く記述することが重要であることが示唆された. 今後は, 高温における非弾性変形の特徴である速度依存性を定量的に把握することが必要であり, 現在クリープ試験を行って, 複雑な負荷履歴に適用できる構成式の構築を進めている.
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