Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一村 信吾 電子総合技術研究所, 励起プロセス研究所, 主任研究官
野田 保 豊橋技科大学, 第3工学系, 教授 (70126944)
村岡 克紀 九州大学, 総合理工学科, 教授 (80038546)
山村 泰道 岡山理科大学, 理学部, 教授 (10068900)
森田 健治 名古屋大学, 工学部, 教授 (10023144)
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Budget Amount *help |
¥23,300,000 (Direct Cost: ¥23,300,000)
Fiscal Year 1987: ¥23,300,000 (Direct Cost: ¥23,300,000)
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Research Abstract |
本年の研究実績は昨年度にひきつづき, (1)エキシマレーザーを用いた多光子励起に表面離脱原子のイオン化過程についての一連の成果(森田, 村田, 一村), (2)二次イオン生成機構における酸素の誘起効果における2段階過程の存在の確認(志水, 野田), (3)シミュレーションコードの開発とそれを用いたスパッタリングにおける非線型過程の解析(山村), など著しい成果がみられている. まとめると次の通りである. (1)エキシマレーザーを用いた多光子励起により, Fe(村岡), Ni(森田)からのスパッタ原子の共鳴励起を用いた速度分布の測定は, 表面結合エネルギーなどの評価の上づきわめて重要な手法として定着しつつある. 又, Al(一村)を用いたイオン化効率の評価も, 多光子励起法が有用であることを裏付ける結果を与え, 今後の進展に大きな期待をよせるものであった. (2)二次イオン生成における酸素の誘起効果については, ISS-SIMSの手法を開発して, Ni(志水)とGaAs(野田)についての詳細な研究がまとまった. とくに, Niでは従来予見されていた2段階過程が明瞭に存在することが確認され, 更にその第1過程では, トンネルモデルが有用であることが更めて確かめられ長年の問題に一つの終止符をうつことが出来た. (3)スパッタリングについてのコンピュータシミュレーションについては, 山村による系統的研究がまとまりつつある. とくに今回新らたに開発したシミュレーションコード DYACAT によるスパッタリングにおける, 非線型過程についての解明は, 反跳原子の中で, 入射イオンより大きいエネルギーをもつものが出現することを初めて示した画期的な成果をもたらした. 今後世界中で広く使われるものと期待される.
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