Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 信男 京都大学, 理学部, 教授 (10029829)
砂川 一郎 東北大学, 理学部, 教授 (20004426)
黒田 吉益 信州大学, 理学部, 教授 (20015530)
青木 謙一郎 東北大学, 理学部, 教授 (00004276)
久城 育夫 東京大学, 理学部, 教授 (80011526)
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Budget Amount *help |
¥12,400,000 (Direct Cost: ¥12,400,000)
Fiscal Year 1987: ¥12,400,000 (Direct Cost: ¥12,400,000)
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Research Abstract |
1.総括班会議を2回開催し, 研究の進捗状況について情報交換を行うとともに, 本特定研究の取りまとめ方を検討した. また, 昭和62年12月1日から3日に亘り, 京都市京大会館において研究成果報告会を開催し, 研究情報の交換と成果に対する評価を行った. 出席者は約160名であった. 2.主な研究結果は次の通りである. (1)25GPaに及ぶ超高圧下でマントル物質の融解実験を行い, 地球の成層構造の成因について重要な手がかりを得た. 即ち, カンラン岩の融解温度範囲と圧力の関係から, マントルのカンラン岩が, より始源的な物質の部分融解により生じたことを示した. (2)マグマの高圧下における密度, 粘性を与える一般式を多数の測定結果に基いて導いた. これにより, 化学組成が与えられれば, そのマグマの1.5GPaまでの密度と粘性が得られるようになった. (3)真空実験により, H2に富む初期太陽系星雲内ではガスから液相が直接凝縮することはなく, 固相が凝縮することが明らかにされた. (4)高温液相中で成長, 溶解する結晶の様相をその場観察・記録するシステムを開発した. この装置では1500°Cで±0.5°Cの温度制御が可能で, nmオーダーの高さの成長層の動きまで観察可能である. これを用いて種々の珪酸塩系での核形成, 結晶成長, 溶解現象を調べ, 多くの知見を得た. (5)高分解能透過電顕に1200°C迄加熱可能な高温炉を設置し, MgSiO_3輝石についてのその場観察を行い, 相関係のみならず, 相転移の機構やカイネティックスを明らかにした. (6)造岩系珪酸塩融体中でのCr及びTiの構造化学的状態を明らかにし, これらの遷移金属元素の存在が相関係に与える影響の違いと, 構造化学的状態の違いの間に相関のあることを示した.
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