言語行為(発話行為)の認知における非言語的文脈の影響に関する状況意味論による研究
Project/Area Number |
62110004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
山田 友幸 信州大学, 人文学部, 助教授 (40166723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 由起子 自由学園, 高等科, 教諭
有働 眞理子 千葉大学, 教養部, 講師 (40183751)
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Project Period (FY) |
1987 – 1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 言語行為 / 発話行為 / 発語内の力 / 発語内行為内容 / 状況意味論 / 発語内行為 / 遂行動詞 / 局所的制約 |
Research Abstract |
本研究では, 陳述や報告などの伝達的な言語使用と命令や約束などの非伝達的な言語使用を統一的に扱う枠組みを開発することを目標に, 発語内行為を記述する理論的枠組み, 発語内行為の種類を特徴づける発語内の力の分類体係, ならびに発語内行為の認知のモデルについて研究した. 得られた知見および研究成果は以下のとおりである. 1.発語内行為の特定には, 発語内の力の特定と発語内行為内容の特定が必要である. 発語内行為内容は, 発語内の力に関して中立ではないと考えられるが, 充足様式という概念を利用することにより, 異なる発語内の力をともなう発語内行為内容が, 同一のタイプの状況により異なる充足様式のもとで充足されるとみなすことが可能になる. そこで, 発話において発語内行為内容の表現に寄与している語句の意味は, 発語内行為内容を充足する状況のタイプに対する制約を与えるものとして, 統一的な観点から扱うことができる. このような制約は状況意味論の拡張により表現可能である. 2.発語内の力を分類するため, 本年度においては, 発語内行為を表す日本語の動詞の分類体系について検討した. その結果, 発語内行為の遂行の様態を種差とする発語内行為動詞のクラスを認める必要があること, またこれにともない, 発語内行為動詞の概念と遂行動詞の概念を区別すべきことと, 発語内の力の分類を動詞の分類から区別すべきであることが判明した. そこで発語内の力の分類のための観点として, 不適切性の理論, 充足様式の理論および状況改変様式の理論を仮定する作業仮説のもとで検討を開始した. 3.発語内行為の不適切性の網羅的なチエツクを行なつていないにもかかわらず, 発話に対してある程度的確に反応できる現実の言語使用者のモデル化には, 状況意味論の局所的制約の概念が有効であるという感触を得た.
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Report
(1 results)
Research Products
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