Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
機械翻訳における構造解析能力の向上を目標とする場合, これを達成する方策としては, (1)翻訳システムの前段における言語処理(前処理:前編集)と(2)翻訳システム中核部における構造解析規則の改善があるが, 両者は独立のものではなく相互に依存関係にある. これまで前処理というと, 翻訳システムの解析規則が処理しやすい形に原文を加工することで, それも同義語の使用を制限するとか, 修飾関係が決定しやすい配列に変えたり, 複文を単文に改めるなど, 対象構造を制限する制限文法であったが, これは自然言語の特性に基づかない恣意的な制限となっている. 構造解析能力を向上させて恣意的言語制限を排除し, しかも自然言語の特性を反映する形で前処理システムを構築し, 最終的には前処理作業を自動化する. このような方向で機械翻訳システムを設計することが本研究の目標であった. 61年度の科研費課題研究「機械翻訳前処理自動化のための基礎研究」においては, 翻訳システムの前段に「構造還元変換」部と後段に「談話構造変換」部を設け, さらに「規格化処理」部の設定の必要も指摘し, 従来の雑然とした形態操作から構成される前処理を制限する目的で, 可能な前処理の基準も提案した. 本年62年度の研究では, 「規格化処理」を自然言語自体の構造表示機能を反映したものに限定する方向を, 構造ならびに音韻情報を中心に探った. また制限文法の基本的な問題点と限界を原理的に指摘し, これを回避するために, 機械による構造解析のための(優先解釈規則などを備える)新しい言語処理システムの導入を試みた. 63年度の研究では, 特に機械による言語処理の適切な遂行に不可欠な辞書情報の研究に重点を置き, 言語処理規則の充実の基礎とする予定である.
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