Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北原 和夫 東京工業大学, 理学部, 助教授 (20107692)
石田 勝彦 理化学研究所, 研究員 (70176189)
永嶺 謙忠 東京大学, 理学部, 助教授 (50010947)
大野 和郎 埼玉大学, 理学部, 教授 (80013449)
石本 英彦 東京大学, 物性研究所, 助教授 (60044773)
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Budget Amount *help |
¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 1987: ¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
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Research Abstract |
本年度は今まで計画していた(1)金属中のμ+量子拡散(2)量子液体固体中のμ^+粒子の研究の外に(3)新発見物質高温酸化物超伝導体(YBa_2Cu_3Ox)をμ^+SR法で研究した. μ^+SR法は, 酸化物超伝導体の磁気的側面の研究に最適であることがわかり, 本研究がめざすμSR法の新しい可能性開拓の目的を十分に達成することができた. 以下研究経過を簡単に記述する. (1)金属結晶中のμ+の量子拡散 昨年度にひきつづき, 微粒子薄膜を用いμ^+拡散係数を直接測定する新方法の確立をめざしている. 今年度は, 3000A2F2(コードで入力)粒径のAl微粒子を作製, KEK-BDOMでμ^+SR実験を行う. 室温では十分早く微粒子表面に達することを確認. この方法を薄膜に適用, 精密測定を行うため超高真空蒸着装置を製作中であるが, 本年度は, 真空排気系を購入10-10torrの真空を達成. きれいた薄膜作製準備がととのった. (2)μ^+-量子の液体・量子固体系の研究 西田, 北原が中心となり, μ+が固体水素, 液体ヘリウム中でとりうる可能性のある形態を検討し, (H_2μ^+), (Heμ^+)分子等の量子化学計算法を開発. その形状, 分子回転準位を決定まもなく発表予定. μ^+5R実験結果の理論予測を行った. (3)酸化物超伝導体のμ^+SR法による研究 東工大グループ中心に, 東大物性研, 教養, 核研, 中間子施設, カナダTRIUMFグループと共同研究. 90K級酸化物超伝導体YBa_2Cu_3O_x系の磁気的性質をμ^+SR法で研究した. 超伝導体相に接する絶縁体相が強い反強磁性を示すことを世界で初めて発見. 酸化物超伝導体の超伝導発現機構に磁性が重要な役割をもつことを指摘. これら結果は, 既に二つの国際会議で報告, 5編の論文として発表され注目をあびた.
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