Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西出 宏之 早稲田大学, 理工学部, 教授 (90120930)
杉浦 幸雄 京都大学, 化学研究所, 教授 (40025698)
小林 宏 北里大学, 衛生学部, 教授 (10016032)
木村 栄一 広島大学, 医学部, 教授 (30034010)
田中 敏夫 大阪大学, 工学部, 教授 (90028952)
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Budget Amount *help |
¥14,000,000 (Direct Cost: ¥14,000,000)
Fiscal Year 1987: ¥14,000,000 (Direct Cost: ¥14,000,000)
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Research Abstract |
まず研究成果の中より直接有機金属化合物と関係する項目について報告する. 補酵素ビタミンB_<12>のもつコバルトー炭素結合の反応性は有機基質の特異的な骨格の転移を支配する. 生越は環状テトラピロールのC_0錯体であるB_<12>を利用する立場から, その周辺基の反応規制による不斉誘導をシクロプロパン誘導体を用いて検討し, その効果を解明した. 虎谷はさらに生体系に近い研究でB_<12>のC_0-C結合の反応性が, アポ酵素と補酵素間の結合により促進されることを証明した. 特に軸配位子の形状とサイズにより, C_0-C結合の開裂反応に違いが見られる. 田中は生体触媒の立場から, フェレドキシンモデルを触媒として電気化学的手法と組み合わせ, 有機基質への炭酸ガスの固定化, またルテニウム錯体を触媒として, 光化学反応により炭酸ガスの固定化に成功した. ついで癌治療を目指した研究において, 喜谷は白金錯体の構造と治療効果の相関を検討し, 錯体の水溶性を高めることにより, 臓器への特異性を向上させ, さらに副作用を抑制することに成功している. 木村は環状ポリアミン化合物, ジオキソサイクラムの新規合成を行い, その白金錯体のあるものは, 制癌効果をもつことを見いだした. 杉浦はブレオマイシンの制癌効果発現はDNAの特異的切断によることを解明したが, この鉄錯体の特異的な機能に注目し, ニトリル水和酵素の反応中心との類似性の高いことを見いだした. 西出は合成ヘムを高分子脂質に取り込ませた新しい系を構築し, 生理的条件下でデオキシ赤血球と酸素の交換反応を行い, 人工血液としての可能性のあることを示唆した. 小林はポルフィリン金属錯体と結合した一酸化炭素の反応性に関して理論的取り扱い, COと金属イオンの相互作用の重要性を指摘した.
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