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¥25,600,000 (Direct Cost: ¥25,600,000)
Fiscal Year 1987: ¥25,600,000 (Direct Cost: ¥25,600,000)
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Research Abstract |
構造的に安定なモデル系を創出することにより, 酵素機能の本質を見究めるとともに, 汎用性をもった触媒としての人工酵素の開発を意図している. 1.補酵素機能を規範とした高活性触媒の開発-特異的コバルトシッフ塩基錯体を触媒として用い, ジオキシゲナーゼのモデル反応としてのニトロアルカン類への酸素導入, スチレンの酸素酸化によるノーフェニルエタノールの生成と不斉導入, 脂肪族ヒドラゾンの酸素酸化による新規有機コバルト錯体の生成反応について成果を得るとともに, 触媒活性発現の主要因について有用な知見を得た(西長). 2.酵素タンパクの機能評価にもとづく人工発光系の開発-オワンクラゲの発光に関連してセレンテラジンのモデル化合物を用い発光収率に影響する要因について重要な知見を得た. また, ウミホタルルシフェリンの類縁体を用いて活性酸素による化学発光についてせいか得た(後藤). 3.人工ホロ酵素系の開発-合成二分子膜のアポ酵素モデルとしての反応場特性を明らかにするとともに, 疏水性ビタミンB_<12>を二分子膜内に固定化して人工ホロ酵素を構築した. この人工酵素を用いてメチルマロニルーCoAムターゼ, グルタミン酸ムターゼと同様な触媒反応の実現に成功した(村上). ミセル系集積反応場を用いて金属イオンによるエステル基質及び求核性配位子の活性化能について明らかにした. 逆ミセル系によるエステル交換反応についても検討し, エステル合成系についての基礎的知見を得た(太垣). 構造的にも機能的にも精度の高いチトクロームP-450モデルとしてチオレート基を軸配位子とするポルフィリン錯体を用い, 酸化触媒機能について検討し, 顕著な軸配位子効果を明らかにした. また, いくつかのモデル基質を用いて人工P-450系と生体P-450系の比較代謝化学的検討を行い, 有用な成果を得た(広部).
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