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¥11,600,000 (Direct Cost: ¥11,600,000)
Fiscal Year 1987: ¥11,600,000 (Direct Cost: ¥11,600,000)
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Research Abstract |
遺伝的制御系の応答機構のうち外的刺激に対する応答の遺伝機構解明を目標とし, 大腸菌および近緑細菌を共通の研究対象として, 各分担者の担当する応答現象につき, 関与する遺伝子およびそれらの機能発現の調節機構に重点を置いて研究を実施した. 得られた成果の主なものは次の通りである. 走性反応に関しては, 応答反応に係わる鞭毛基体領域の形成と機能発現に作用する11個の遺伝子につき, クローン化によるDNA領域と産物の同定を行い, さらにそれら産物の細胞内存在域を検索し, 遺伝子の作用点を推定した. 熱ショック応答に関しては, 応答反応を制御するδ^<32>の温度感受性変異を制御するサプレッサーを系統的に分離解析した結果, δ^<32>の翻訳段階に働く2つの新しい遺伝子, リボゾーム蛋白S15の減少を来すオパールサプレッサー, 主要熱ショック蛋白質(GroE, DanK)の過剰生産をもたらすサプレッサーなどを同定した. リン酸欠乏応答におけるリン酸レギュロン遺伝子群の発現制御においては, 転写促進作用を現わすPhoB蛋白がPhoR蛋白によって活性型と不活性型とに変換すると考えられるので, 活性型のみを示すPhoBおよびPhoR突然変異株をそれぞれ分離し, 塩基配列を分析して, PhoB蛋白活性化の機構を推測した. SOS応答に関しては, 反応の中心的役割を果たすrecA遺伝子について種々の突然変異の位置を決定し, その変異体の遺伝的性質と, 蛋白質の生化学的活性を調べ, RecA蛋白質の活性に関与する機能領域の同定を試みた. アルキル化剤による適応的応答については, 中心的な役割を果たしているAda蛋白の機能を明らかにするため, そのメチル受容部位と思われるシステイン残基を他のアミノ酸に人為的に置換した変異蛋白をつくって解析した. その結果Cys^<69>が転写調節の活性化に必須であることがわかった.
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