Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇野 功 東京大学, 応用微生物研究所, 助教授 (60114401)
安楽 泰宏 東京大学, 理学部, 教授 (20012643)
山本 正幸 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (40114706)
下田 親 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (80047290)
深沢 俊夫 慶応義塾大学, 医学部, 教授 (90029934)
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Budget Amount *help |
¥17,400,000 (Direct Cost: ¥17,400,000)
Fiscal Year 1987: ¥17,400,000 (Direct Cost: ¥17,400,000)
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Research Abstract |
本研究はすべて酵母を用いて行っている. 大嶋は, ホスファターゼ系遺伝子発現調節因子のうち, PHD2タンパクが核に局在し, 酵素構造遺伝子の5′上流域に結合すること, 酵素生産量は正因子の量に依存すること, また正因子と仲介因子に生じた優性な構成性変異の変異点を決定した. 深沢はガラクトース系の負因子タンパクの正因子結合ドメインがN末端にあり, C末端に核内局在に必要な部位, その中間にインデューサー結合部位を示唆した. またGAL11遺伝子の塩基配列を決定し, 想定されるアミノ酸配列の中にDNA結合モチーフを認めた. さらにGAL7遺伝子に新しい転写終結シグナルを示唆した. 分裂酵母での減数分裂制御系には, 接合型遺伝子mat1-P(MEI1)とmat1-Miから正の調節を受けるMEI3, さらにMEI3に負の調節を受けるPAT1, PAT1に負の調節を受けるMAI2があり, MEI2は減数分裂の始動に必要である. 下田はmei1の転写がcAMPにより抑制されることを示し, mei1とmei3の両変異の抑圧変異としてpat1座での変異を分離し, その抑圧がアレルに特異的なことから, PAT1タンパクはMEI3タンパクと直接作用し合うことを示唆した. 山本はMEI2が培地中窒素源の欠乏により転写誘導を受け, cAMPの添加でこの誘導が停止すること, またMEI2の転写に正に働くSTEXと負に働くPAC1遺伝子の存在を示した. 安楽は酵母のカルモジュリンを精製し, 高等生物のそれとは一次構造およびその生化学的性質が異なることを示した. さらにクローン化したカルモジュリン遺伝子DNAを用いて遺伝子破壊を行い, また遺伝子の発現調節が可能な系を構築して行った実験により, カルモジュリンが核分裂に決定的な役割を果していることを示した. 宇野は, 熱ショックタンパク質の合成と熱耐性の獲得, それに関連してのG1期における細胞分裂の一時停止, また硫黄飢餓により細胞がG0期に入ることについても, cAMPカスケードが関係していることを示した.
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