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¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
1.CVD法による担持酸化バナジウム触媒の調製, シリカおよびアルミナを担体とし, バナジウムイソプロポキシドを原料とする熱CVD法によって高分散酸化バナジウム触媒を調製した. バナジウムイソプロポキシドを減圧下で直接担体を入れた反応管へ送入する方法と, 窒素ガスをキァリアーガスとして送入する方法のいずれかによっても, バナジウム原子を3重量%程度まで含む触媒が得られた. この触媒の赤外線, ESR, X線吸収スペクトルを測定し, バナジウムイソプロポキシドが担体表面の水酸基と反応することにより固定化され, 酸化バナジウムは通常の含浸法によって得られる触媒に比べ, 極めて高分散な状態にあることが明らかとなった. 現在光CVD法による調製装置を試作中である. 2.光化学反応 CVD法および含浸法によって調製されたシリカ担持酸化バナジウム触媒によるプロピレンの光酸化反応を行い, アセトン, プロピオンアルデヒドへの選択性については調製法による差は認められないが, 主生物物であるアクロレイン, アセトアルデヒドへの選択性については, 含浸法による触媒ではバナジウム担持量による差はほとんど認められなかったのに対して, CVD法による触媒ではバナジウム担持量の増加に伴い, アクロレインへの選択性の増加とアセトアルデヒドへの選択性の低下が認められた. 3.活性種構造に関する量子化学的研究 シリカおよびアルミナに担持された酸化バナジウムおよび酸化ニオビウムの安定構造をクラスターモデルに対して非経験的分子軌道計算により検討した. その結果, いずれの酸化物もシリカ上ではモノオキソ型が, アルミナ上ではジオキソ型が安定構造であるとの結論が得られた. 担体による安定構造の相違は主として, シリコンとアルミニウム原子と酸素原子との結合強度の差に基づく. 計算で得られた原子間距離は実験値とよい一致を示した.
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