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¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
昨年度購入した線形リフレクトロン飛行時間質量分析計を用い, 205nmの短波長まで掃引可能な色素レーザーシステムを用い, 主としてアンモニアクラスター及びベンゼンクラスターの2光子共鳴イオン化に伴う分子過程の研究を行なった. アンモニアの第1電子励起状態はリドベルグ状態であり, これは凝縮相では電子雲の広がりとまわりの分子との重なりによって青方移動した電子スペクトルを示す. 今回208.6〜210.2nmに共鳴させて2量体から6量体までの励起スペクトルを始めて観測できたが, それらがほとんど似たスペクトルを示し, 予想とは反対に, 赤方移動を示した. これは, 励起がアンモニアクラスターの外周部にかたよっており, しかも, 外周の2量体ユニットによって電子状態の性格がおおまかに決ってしまう事を意味しており, クラスターサイズが大きくなっても, その電子状態の変化は小さいことがわかった. また, 観測されたイオンはほとんどがプロトン付加体であり, 2光子イオン化により, プロトン移動解離反応が効率よく起ることが示された. 一方, ベンゼンクラスター, 第1電子励起状態での共鳴イオン化はクラスターの著るしい解離を生じるが, 第2電子励起状態での共鳴励起を行うと, エキシマーを形成し, クラスター中の少なくとも2分子が強くひきあうことが明らかになった. このため, イオン化状態では2分子反応が優位になり, ベンゼンよりも大きなC_7H_7^+や他の様々なイオンに特有の大きな化合物を生じることがわかった. 昨年の研究でベンゼンクラスターが水と大きな反応性を示すことが見い出されたが, このような励起状態での錯体形成が重要な働きをしていると結論される. 更に高密度の励起を行うと, これまでの予想ではクラスターの解離が進行するのみと考えられていたが, 励起がクラスター全体に及び, 複数の分子間の反応が進行すると思われる.
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