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¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
イネは, いもち菌にり病すると体内においてリポキシゲナーゼ活性が激増し, 抗いもち菌活性を有する酸化型不飽和脂肪酸が代謝されることを我々は既に明らかにした. 一方, 動物の白血球, その他の動物組織からも類似の部分構造をもつフアラキドン酸由来の酸化型不飽和脂肪酸が単離, 同定されている. これらはLTB_4に代表されるように, 動物体内において特異な生理作用を示す. 本研究は, 酸化型不飽和脂肪酸を化学的に, あるいは酵素的に合成し, 合成品が動物に対して如何なる生理作用を示すかを調べることを目的とする. 62年度においては不飽和脂肪酸の選択的官能化反応について研究した. α-リノレイン酸を図示したルートにより相当する過酸に誘導し, 分子内エポキシ化反応を調べた. α-リノレイン酸にmcpbaを作用させると非選択的にエポキシ化されるが, 分子内エポキシ化反応では, かなりの選択性をもって15-エポキシ体が得られることがわかった. このようにして調整したモノエポキシドをmcpbaして酸化すると相当するジエポキシドが得られる. ジエポキシドはLDAの作用により, 容易に環開裂が起り, ジオールに誘導可能である. ジオールは動物の白血球に対して化学郵遊走性や血管透過性を示すLTB_4と類似の構造をもっており, 白血球に対する生理作用に興味がもたれる. これまでの予備テストで, 合成品のいくつかは抗LTB_4作用をもつことがわかった.
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