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¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
1984年, 高橋らにより分子遺伝学的に構造が解明されたヒトCCK-33はブタCCK-33と同様27位Tyr残基が硫酸化されているため, その化学合成は困難である. 我々はこのTyrを選択的に硫酸エステル化する方法を開発し, ヒトCCK-33を全合成した. 1.全体を7個の区分ペプチドに分け, C端よりラセミ化の少ないアジド法によって順次縮合し, 保護ヒトCCK-33を得た. 2.Met(O)残基を還元した後, 1M trimethylsilyl trifluoromethanesulfonate-thioanisole/TFAにより全保護基を除去し, ヒト〔27-Tyr〕CCK-33を得た. 3.どのような試薬を用いてもSer-OHはTyr-OHよりも硫酸エステル化が優位に進行するため, 我々はまずSer-OHをtert-butyldiphenylsilyl(tBuPh_2Si)基で選択的に保護し, 次いでTyr-OHを硫酸エステル化した後, SerのtBuPh_2Si基を除去する計画のもとにモデル実験を行なった結果, 過剰のフェノールを添加することによりSer-OHが優位にシリル化されることを見出した. 4.ヒト〔27-Tyr〕CCK-33のN^α及びLysのN^ε-アミノ基をfluorenyl-methyloxycarbonyl(Fmoc)化して保護し, 4個のSer-OHを選択的にシリル化した後, pyridine-SO_3により27位のTyr-OHを硫酸エステルとし, 次いで1M Bu_4NFでFmoc及びtBuPh_2Si基を除去し, イオン交換クロマトグラフィー, HPLCにより精製し, 高純度のヒトCCK-33を得た. 上記方法により得た合成ヒトCCK-33は麻酔犬を用いたin vivo系のアッセイにおいてCCK-8とモル比で同程度の膵蛋白放出活性を示した. 一方27位Tyrが硫酸エステル化されていないCCK-33はCCK+33の約1/10の活性しか示さず, 本硫酸エステルの活性発現における重要性を合成化学的に明らかにした.
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