有機サマリウム(II)錯体の合成と反応性に関する研究
Project/Area Number |
62215004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
今本 恒雄 千葉大学, 理学部, 助手 (10134347)
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Project Period (FY) |
1987
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1987)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | ヨウ化サマリウム(II) / サマリウム / シクロプロパノール / ヨードヒドリン |
Research Abstract |
1.ヨウ化サマリウム(II)の新規調整法の開発 ヨウ化サマリウム(III)とサマリウム金属がテトラヒドロフラン中で容易に反応し, 2価のサマリウムが生成することを見出した. さらにこの反応の機構を解明するとともに, 一電子還元剤として有用なヨウ化サマリウム (II)をヨウ素とサマリウム金属から簡便に調整する方法を確立した. 2.カルボニル化合物の新規ヨードメチル化反応 サマリウム金属存在下, カルボニル化合物とジヨードメタンを反応させると, ヨードヒドリンが高収率で生成することを見出した. この反応は, カルボニル基にヨードメチル基を求核的に導入する最初の例であり, かつ従来の方法では得難いヨードヒドリンも合成することがてきる点で, 合成的利用価値が高いと思われる. 3.シクロプロパノール類の合成 一方, カルボニル化合物として, α-ハロケトンを用いた場合には, ヨードヒドリンは生成せず, シクロプロパンが得られた. さらに1, 4-ジケトンを用いた場合には, 新規な炭素-炭素結合切断反応を伴いながらシクロプロパノール環が生成することがわかった. 次にこの反応の機構について検討した結果, 中間体としてサマリウムエノラートが存在することが明らかとなった. そこで, この知見に基づいてケトンより一挙にシクロプロパノールを合成する方法について詳細に検討した結果, 50〜60%で目的物を得ることができた. これらの事実をふまえて, エステル類に2個のメチレンユニットを一挙に導入しながらシクロプロパノールを合成する新しい反応の開発を行った. その結果, エステル類に過剰のジヨードメタン/サマリウム系試剤を反応させると, 目的物が20〜60%の収率で生成することがわかった.
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)