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¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
本年度は, 昨年度の成果を受け継ぐとともに新たにゾルゲル法によって多孔質SiO_2薄膜に金属超微粒子を担持させ, その光学的特性のガス雰囲気依存性の研究を開始した. 具体的には, Ag, Cuの10nm以下の超微粒子を, ゾルゲル法で作成したサブミクロンの厚さのSiO_2多孔質膜中に分散担持し, 可視域の吸光スペクトルを, O_2, H_2, COなどのガス中で測定した. 金属種類, ガス種類に応じたスペクトル変化が生じ, 条件によっては応答速度は大きい. 超微粒子と光の組合せによるガスセンサも可能と考えられる. ゾルゲル法によるガラス基板上に作成したSiO_2薄膜にAg, Cuイオン溶液を含浸させ, 適当な方法により還元して金属とした. X線回析法によりAg担持薄膜の場合粒径は約9nmである. 通常の可視紫外吸光光度系を用い, ガス流通式, 450°C程度まで昇温可能なセルを作成し, スペクトルを測定した. 流通ガスはHe, O_2, H_2, COである. Ag超微粒子の場合, 雰囲気を20%COから1%O_2に切替えとき, そのスペクトルの吸収ピークが長波長側に移動するとともに小さくなる. またスペクトル変化は完全に可逆的である. 一定波長での時間変化をみると, 応答速度は速く, 温度を変えたときの測定では, 高温ほど応答の大きさと速度が顕著になる. Cuの場合もほぼ同様な結果が得られたが, Agより低温でも応答が顕著である. AgとCuの違いの一つはAgは1%の酸素分圧では362K以上では吸着のみでバルク酸化しないが, Cuはバルク酸化する点がある. Ag, Cuいずれも吸収は自由電子の集団振動による吸収と考えられ, ガス吸着による金属粒子の形状変化および自由電子の濃度変化を反映していると考えられる. 金属微粒子分散体が鋭敏なガスセンサ素子となる可能性があり, 多種金属の組合せで選択性を出し得ると期待される.
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