Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
|
Research Abstract |
1.gp18のドメイン構造の検討:gp18はシースの状態ではプロテアーゼによって全く切断を受けないが, 単量体の状態では種々のプロテアーゼによって切断を受け, トリプシンでは分子量27K, キモトリプシンでは29K, サーモライシンでは26K, またリシルエンドペプチターゼ(API)では42Kと31Kの, プロテアーゼ抵抗性断片を生じる. これらのプロテアーゼ抵抗性領域の一次構造上の位置を同定するために, 各断片を調整用SDS電気泳動により分離し, 各消化断片を電気泳動的に抽出した. これらの断片のアミノ酸配列分析を行い, N末端を決定し, 更に分子量とプロテアーゼの基質特異性を考慮することにより, トリプシン消化断片27KはAla82〜Lys316, キモトリプシン消化断片29kはGly74〜Phe333, サーモライシン消化断片26KはVal83〜Asp313であると同定され, プロテアーゼ抵抗性領域は, およそ残基番号80〜310までの領域であることがわかった. APIの場合, 42K断片はAsp302〜Gly658(gp18 C末端)であったが, 31K断片は2つのペプチドの混合物であって, 一方がGlu11〜Lys301であるのに対して, 他方はAsp302〜Lys568であった. APIはその高い基質特異性のために, 他のプロテアーゼでは切断されやすいC末端領域が切断されずに残るものと考えられる. 尾鞘は外に大きく突き出した部分を持っており, この部分がプロテアーゼでは切断されないことから, これが上記のプロテアーゼ抵抗性領域である可能性が高いと考えられる. 更に種々の抗血清を用いてイムノプロッティングを行い, gp18のトリプシンとAPIによる限定水解中間体を同定することにより, 切断の順序を決定した. 2.光-CIDNP法によるgp18のチロシン残基の検出:2個のチロシン残基が検出され, その2つのピークはgp18をニトロ化することによって消失した. なお, 収縮したシースの結晶化およびミュータントの変異部位の同定については現在進行中である.
|