Project/Area Number |
62220011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉田 賢右 東京工業大学, 理学部・生命理学科, 助教授 (90049073)
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Project Period (FY) |
1987
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1987)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | ATPアーゼ / ATP合成酵素 / 部位特異突然変異 / 化学修飾と遺伝子工学 |
Research Abstract |
H^+-ATPaseの作用機構については依然として不明の部分が多いが, 私たちの研究では今年度以下の点で進歩があった. 1."Unisite"説は正しいか? F_1の3つのβサブユニットが順に協同作用的に基質や生産物に対する親和性を換えてゆくというBoyerの考えは, Penefskyらの"unisite"と"cold chase promotion"の実験によって強力な支持を得たと受け取られている. しかし私は以下の実験から彼らの説はもっと慎重に考える必要があるとの結論に達した. (1)ミトコンドリアF_1について, Penefskyらの提出した速度定数を用いて計算すると反応産物のPiとADPのほとんどは反応の初期において(〜2分)F_1に結合したままのはずであるが, 実際は大部分解離している. これは大腸菌F_1についても同様であった. (2)cold chaseで加えたATPの方が"unisite"にあらかじめ結合していたATPよりも早く水解されてしまう. (3)哺乳類以外のF_1では, はっきりしたcold chase promotionが見られない. 2.化学修飾の実験から活性に必須とされたF_1・βのアミノ酸残基6ヶ所をそれぞれ別のアミノ酸に部位特異突然変異で変えてみた. その結果, アミノ酸置換で活性を完全に失ったのは, Glu190とGlu201の2ヶ所だけであった. ただしLys164の変異は酵素のキネティクが質的に変化した. 今後, 1については3ヶのβのうち1つあるいは2つのβが失活しているF_1を遺伝子工学的に作製し, F_1の活性に3β全てが生きていなくてもよいことを示したい. これはBoyerの考えに対する強力な反証になる. 2については更に多くの残基を変異させて結果をみたい.
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)