急速凍結・電子顕微鏡法を用いた細胞内蛋白質分子の挙動の分析
Project/Area Number |
62220029
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Project Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
月田 承一郎 東京都臨床医学総合研究所, 超微形態研究部門, 室長 (50155347)
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Project Period (FY) |
1987
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1987)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 急速凍結法 / 液体ヘリウム / 時間分解能 / 網膜 / 光受容 / 鞭毛 |
Research Abstract |
細胞内の蛋白質集合体の構造は極めて動的であり, また動的であることが機能発現に重要であると考えられている. そこで液体ヘリウム温度の純銅ブロックに試料を圧着するという急速凍結法を基礎として, 以下の重要な生命現象の基礎メカニズムの解明をめざし, 新しい凍結システムの開発を試みた. 1.網膜における光受容過程と細胞骨格の関係 網膜における光受容過程における細胞骨格の役割を明らかにする目的で, イカ網膜に光をあてた後, さまざまなタイミング(ミリ秒のレベル)で急速凍結するシステムを開発した. まず, 暗順応した網膜を暗黒下で急速凍結と凍結置換後超薄切片像として分析すると, 光受容細胞の微絨毛中に1本のアクチンフィラメントが明瞭に観察された. ところが, 充分に光をあてた網膜を明るい所で急速凍結すると, このアクチンフィラメントが断裂し, ほとんど観察されなくなった. このアクチンフィラメントの消失が光の受容過程でどのような役割を果たしているかを調べるために, 暗順応した網膜を光をパルス照射した後10〜100ミリ秒後に急速凍結した. その結果, 光パルス照射後60ミリ秒たった光受容細胞の微絨毛では, アクチンフィラメントが数ケ所で切れており, その部分で微絨毛が膨大していることが分かった. このことは, 光受容過程の時間経過を考えあわせると, 微絨毛中のアクチンフィラメントの断裂が光受容の情報伝達そのものに重要な役割を果たしていることを強く示唆する. 2.鞭毛繊毛運動の分子構造 クラミドモナスを用いてダイニンに関する突然変異体が多くとられるようになってきたので, これらの突然変異体から得た繊毛を急速凍結することにより, ダイニンATPaseの構造と機能の関係の解析をはじめ, いくつかの興味深い結果を得つつある.
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)