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¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
本研究は橋核及び橋被蓋網様核から歯状核へ投射が存在することを, HRPの軸索内注入法を用いて形態学的に明らかにすることを行った. 実験は, ネンブタール麻酔したネコを用い, 歯状核の前方又は側方の白質内から軸索スパイクを記録する. 記録した軸索のうち, 橋核又は橋被蓋網様核内の微小電流刺激により直接スパイクが誘発されるものを選び, さらに対側大脳の刺激に応じるものに対して, HRPを電気泳動的に注入した. 注入された軸索は, いずれも小脳皮質に至り, 典型的な苔状線維終末として同定された. 50本の解析した軸索のうち, 10本において, 歯状核への投射がみられたが, いずれも皮質へ投射する苔状線維からの側枝によるものであった. 図に典型的な橋核由来の軸索終末の歯状核内での投射様式を示す. この軸索は, 中小脳脚内を同側橋核内まで追うことが出来た例で, 小脳皮質への枝の一部に苔状線維終末を認めることが出来た. 主軸索が歯状核の前外方を通過するが, そこのランヴィエ絞輪から2本の極めて細い側枝が出て, 一方は, すぐ近くの核内で数回分枝して終り, もう一方はさらに内側および腹側に延びて終っている. 主軸索の太さに比べて側枝が極めて細く1/5〜1/10であるのが特徴的である. 多くの側では, 単一のランヴィエ絞輪から1本のみ側枝が出ていたが, 連続する2個又は3個のランヴィエ絞輪から側枝が出るものも認められた. その場合も, 側枝の太さはすべて極めて細かった. 軸索の分布は, 狭いものもあるが, 比較的広く核内に広がっている場合は, 内外方向又は背腹方向にはかなり広いものがあったが, 前後方向への広がりは多くの例で500〜800μm以内であった. 以上, 電気生理学的方法を用いて明らかとなった橋核・橋被蓋網様核から歯状核への経路について, 単一細胞の小脳皮質へ向い苔状線維の側枝が歯状核へ投射していることを形態学的に明らかにした.
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