Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
心臓におけるANPの生合成と分泌機構について検討する目的で, ラットとヒトの心房及び心室のANPmessengerRNA(ANPmRNA)とANP濃度をNothernblotとRIAを用いて検討した. ラットでもヒトでも, 心房組織のみならず心室にもANPmRNAとANPが検出され, 心室でもANPが生合成されることが証明された. 心房と心室のANP/ANPmRNAを計算すると心室が心房より10分の1以下の値を示し, 心室と心房のANP生合成, 分泌機構の異なる可能性が示唆された. 更に, 高血圧, 心不全における心室のANP遺伝子発現が著しく亢進していることを証明した. また, ヒトANP前駆体であるγ-hANPのN端構造, γ-hANP〔1-25〕に対するRIAを確立した. このRIAとα-ANPに対するRIAを用いてヒト血中におけるγ-hANP由来のペプチドの存在様式について検討し, ヒト血中には分子量3Kのα-hANPとγ-hANPの10KN端フラグメント(N-ペプチド)が存在すること, 心臓より等モル放出されることを明らかにした. N-ペプチドの作用については全く不明であり, 新しい血管作動性物質である可能性も期待できる. N-ペプチドの生理的意義の研究を更に促進させる目的でN-ペプチドに対するモノクローナル抗体の開発もすすめている. また, α-hANPの異なる部位を認識するモノクローナル抗体の開発に成功した. この抗体はRIA, 免疫組織化学にも有効であり, 中和実験も可能である. 更に, これらのモノクローナル抗体を用いたANP超高度測定法の開発も試みている.
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