Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
恒藤 敏彦 京都大学, 理学部, 教授 (30025275)
山田 一雄 名古屋大学, 教養部, 教授 (10022542)
信貴 豊一郎 大阪市立大学, 理学部, 教授 (80046747)
平井 章 京都大学, 理学部, 助教授 (70025287)
小川 信二 東京大学, 物性研究所, 教授 (90160754)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1987: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Research Abstract |
1987年8月,京都において第18回低温物理学国際会議が,それに引き続き名古屋において超低温物理学国際シンポジウムが開催された. 本研究班に所属する研究者のこの数年に亘る研究の成果はこれらの国際会議において報告され,それぞれ高い評価を得た. 主な成果はつぎのようであった. 1.液体^3Heの超流動,狭い空間に閉じこめられた場合の, 壁面における境界条件が超流動状態に与える効果が, 実験, 理論の両者から研究され, 解明された. 2.^3Heー^4He混合系における超流動探索, 液体^4He中に解けた^3Heの系における超流動の探索が続けられ,冷却技術上でいくつかの進歩をみた. しかし, この研究においては解決すベき課題が多く残されている. 3.制限された幾何学的条件下における超流動転移. 連結した微粒子上に吸着した^4He膜における超流動転移が実験的,理論的に研究され,3次元的な転移と2次元的なKosteritz-Thouless転移との関連が明らかにされた. 4.^3He薄膜における核スピン秩序の探索 ^3He膜における核磁性と膜の厚さとの関係が系統的に調べられ,核スピン間の交換相互作用の性質とその起源の解明がなされた. 以上のほか, 固体^3He hcp相における核磁性の研究も行われたが, 技術的問題が大きく, 新しい成果を得るに至っていない. 国際会議終了後,研究会を開催して,その後の進展を含めてこれまでの研究成果を検討した. その結果 超低温におけるヘリウム研究の基礎物理学としての重要性から, 今後さらに協力を緊密にして研究をすすめるべきこと,とくに当面の課として固体^3He HCP相における磁性の研究,^3Heー^4He混合系における超流動の探索が重要であることを確認した.
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