Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 美定 神戸大学, 医学部, 教授 (70030848)
竹田 俊男 京都大学, 結核胸部疾患研究所, 教授 (00027088)
後藤 佐多良 東邦大学, 薬学部, 教授 (10012650)
松尾 光芳 東京都老人総合研究所, 総合研究部, 部長 (20072986)
嶋 昭紘 東京大学, 理学部, 教授 (60011590)
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Research Abstract |
本研究は, 学術的および社会的要請の強い老化研究を重点領域研究に選定して頂くために, どこに焦点を絞り, どの様な手段で研究すべきかを検討し, 具体的な老化研究の細目を決定しようとするものである. 老化は, 広大な生物学の全域に関係しているといってもいいすぎでない複雑な現象であり, 各方面から十分論議を尽した上で研究方針を見極める必要があるからである. 本年度の研究実施計画として次のような研究の枠組を設定した. すなわち, 1.代表的な病的老化であるアルツハイマー病, 骨粗鬆症, 血管障害, 痴呆の遺伝因子, HLAの解明を最終的な研究目標とするが, 2.そのために, 骨粗鬆症, 血管障害, 痴呆の動物モデルについて, ヒトの老化のモデルであるダウン症を含めた早老症について, その遺伝的背景, 分子生物学的研究を行う. 3.そして, その根本に横たわる生理的老化の問題を解明するため, 老化生物学という従来体系化されていない分野に挑戦するために, とくに遺伝, 内部環境因子, 外部環境因子に焦点をあてる. この点に関して研究代表者および研究分担者は, 会合を重ねて議論を深めてきた. しかし, 老化は手ごわい研究対象であるため, 短期間に解決の迫られている重点領域研究の対象としてはそぐわないという結論に達し, 老化の研究を各論的に重要なものをとりあげて行くのが適切なストラテジーであると考えた. しかし, 老化研究の重要性については一致した認識に達し, 昭和63年9月に東京大学山上会館において, 公開シンポジウム「老化研究のストラテジー」を開催し, 約50名の参加者の熱心な討論がもたれた.
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