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¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
Fiscal Year 1987: ¥3,800,000 (Direct Cost: ¥3,800,000)
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Research Abstract |
1. ロドプシンのメタロドプシンIとIIとの平衡を支配する蛋白残基の性質を知るために,紫外吸収スペクトルのpH依存性を知る必要がある. そのためには,まずできる限り光学的に透明な試料を用意しなければならない. ロドプシンを含む桿体外節の膜より,ロドプシンを界面活性剤,特にオクチルグルコシドを使って抽出することを試みた. 酸性側で,トリプトファンにもとづく吸収スペクトル変化の起っていることが見出だされた. 2. ロドプシンの紫外部の過渡吸収スペクトル測定に対する準備として,バクテリオロドプシンの紫外過渡吸収スペクトルを測定した. バクテリオロドプシンの場合に,脱イオンによって作ったいわゆる酸性型バクテリオロドプシンは,光により異性化反応を起し,9シス型に変換する. その際,紫外吸収スペクトルにも大きな変化が生じる. その変化を,リジンをアセチル化したバクテリオロドプシンについてのものに比べると,9シスへの異性化に伴って,リジンからの脱プロトン化がみられた. その観点からみると,バクテリオロドプシンの過渡吸収スペクトルにも同様の解釈が与えられることが期待され,より精密な実験を準備している. そのためのストレージスコープを使って,ナノ秒フラッシュによる予備測定を行っている. 3. バクテリオロドプシンの光反応サイクルの最終段階で,その前に放出されたプロトンを補う形でプロトンのとりこみが行なわれる. その際形成される中間体はL′と名付けている. その共鳴ラマンスペクトルを解析し,レチナール発色団は,オールトランス型と13シス型との混合物であること,そのうちのオールトランス型の分は,蛋白部分をアセチル化することで,生成が阻害されることが示された. 4. バクテリオロドプシンに境界リピドが存在することを,CDスペクトルから示した.
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