Project/Area Number |
62480464
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
分子遺伝学・分子生理学
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柳田 敏雄 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (30089883)
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Project Period (FY) |
1987 – 1989
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1989)
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Budget Amount *help |
¥6,100,000 (Direct Cost: ¥6,100,000)
Fiscal Year 1989: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1987: ¥4,700,000 (Direct Cost: ¥4,700,000)
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Keywords | アクチン / ミオシン / 張力ゆらぎ / エネルギー変換 / 分子機械 / 最小機能単位 |
Research Abstract |
i)1ATPサイクル中に引き起こされる滑走距離 アクトミオシンシステムにおける入力と出力の関係は、ATP分解サイクルとアクチンフィラメント滑走距離の関係に置き換えられる。そこで、シリコ-ンで処理したガラス表面にミオシン分子を固定し、そこにテトラメチルロ-ダミン・ファロイジンで標識したアクチンフィラメントと細いフィラメントを加え蛍光顕微鏡下で滑走運動を観測しながら同時にマラカイトグリ-ンを用いた高感度PiアッセイによりATP分解速度も測定した。この滑走速度とATP分解速度、そして別に測定した滑走中に単位長さ当りアクチンフィラメントと相互作用し滑り力を及ぼしているミオシン頭部の平均の数から、1ATPサイクル当りの滑走距離を求めた(Harada,et al.J.Mol.Biol.to be published,1990)。 ii)アクチンフィラメントの超微操作を用いた張力ゆらぎ 一回のATPサイクルに一回の力学サイクルが結合していると、それに対応した大きな張力のゆらぎが観察されるはずである。しかし、筋線維を使うとそれには数百万といった非常に多数のミオシン頭部が含まれ個々の頭部由来の張力ゆらぎは平均化によりなまってしまう、また複雑な構造のためおそらく原理的にそれを検出するのは不可能である。そこで、ここではin vitro運動再構成系(Harada,et al.Nature,326、805ー、1987;Kishino,et al.Nature,334、74ー、1988)において、10個程度のミオシン頭部が発生する張力ゆらぎを非常に高い感度で測定できるシステムを開発した(Yanagida、Biophys.j.55、193、1989)。 方法を簡単に説明すると、先に開発した単一アクチンフィラメント観察、操作用の倒立蛍光顕微鏡システムを用いて長さ100μm、直径約500nmまたはそれ以下のガラスマイクロニ-ドルで一本のアクチンフィラメントをとらえ、もう一方の端の極一部をミオシンをコ-トしたガラス表面に触れさす。張力はマイクニ-ドルのたわみから測定する。マイクロニ-ドルの変位はその像を二分割のフォトダイオ-ドに投影し、それらフォトダイオ-ドの出力差から検出する。この差出力はニ-ドルの変位に非常に敏感で、1オングストロ-ムの変位も検出できた。また、非常に微小なニ-ドルを用いているので、粘性力、慣性力による影響が少なく時間分解能も約0.2ミリ秒であった。こうして、10個程度のミオシン頭部が発生する張力ゆらぎを非常に高感度で測定出来た。
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