微小灌流法を用いた脳内自己刺激現象におけるカテコールアミン仮説の検討
Project/Area Number |
62510049
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Psychology
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中原 大一郎 名古屋大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (80128389)
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Project Period (FY) |
1987
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1987)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | Microdialysis / ラット / 脳内自己刺激 / 内側前脳束 / 側坐核 / ドーパミン / DOPAC / HVA |
Research Abstract |
Microdialysis法を用いて, 脳内自己刺激現象におけるカテコールアミンニューロンの役割について検索した. 実験にはラットを用いた. あらかじめ麻酔下で刺激電極を内側前脳束内に, また内側前脳束からの一投射領域である側坐核に脳透析用のガイドカニューレを押え込んだ. 非実験中はガイドカニューレにはダミープローブを挿入して置いた. 術後, まずラットに脳内自己刺激行動を習得させた. 本実験では典型的な自己刺激行動を示したラットのみを使用し, ダミープローブを脳透析用プローブに置き換え, 人工脳脊髄液を2μl/分の流速で持続的に灌流した. そして上述の脳部位におけるドーパミン, ノルアドレナリンおよびそれらの代謝産物のin vivoにおける継時的変化(10分間間隔)を, 自己刺激行動を遂行する前1時間, 遂行中1時間, 遂行後3時間にわたって測定した. その結果, 側坐核におけるノルアドレナリンの細胞外濃度値は本実験法では検出不可能であった. しかし, ドーパミンについては検出可能であり, その基礎値は43.6±18.8fmol/40μl/20分(n=7)であった. ドーパミンは自己刺激行動の開始に伴い基礎値から有意な増大を示したが, その増加パターンは自己刺激行動遂行中は大きく振動した. 一方, ドーパミンの主要な代謝産物であるDOPACとHVAについては, 自己刺激行動に伴い, 共に一貫して持続的な増加が認められた. また, turnover rate, すなわちDOPAC/ドーパミンとHVA/ドーパミン, についても共に有意な上昇が観察された. 以上のように, Microdialysis法を用いることによって, 内側前脳束の電気刺激によって得られる脳内報酬系の活動の一部はドーパミン系によって媒介されることが直接確かめられた. ノルアドレナリンおよびセロトニン系の関与の有無については, 分析法をさらに改良して, 今後検討を加える.
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Report
(1 results)
Research Products
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