Project/Area Number |
62510205
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
History of Europe and America
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
石井 規衛 神戸大学, 文学部, 助教授 (20168173)
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Project Period (FY) |
1987 – 1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1988: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1987: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | ロシア史 / 政治史 / 共産党 / 社会主義史 / ソ連共産党 / 政治文化 / 政党社会学 |
Research Abstract |
昨年度に引き続いて、必要な図書を発注し、また、国内にある資料の調査やその収拾にと努めた。特に、東京大学の総合図書館、法学部図書室、文学部図書室、社会化学研究所図書室には、豊富な史料が揃っていた。また、必要な官報や、共産党の機関紙を揃えることができた。研究史の整理から、最近、ソ連の共産党の研究家が、欧米では特に盛んで、特に、アメリカ合衆国や、イギリスでは、新分野が開かれていることが看取できた。例えば、これまで支配的であったのは、全国レベルでの党史研究であり、党員集団の統計も党全体に関するものであったのが、最近の研究では、大都市のため統計を取りやすいとはいえ、モスクワといった一地方の党の在り方の研究が、公刊されている。その一方で、全国レベルの党を中心としたソビエト連邦の政治構造の研究は、対象とする時期も広がり、ソ連史上最も謎の多い1930年代の研究がモノグラフとして公刊されるにいたっている。勿論、1930年代の研究のための史料は、公刊史料以外では、第二次世界大戦の時にナチス・ドイツが押収したスモレンスク州の党機関の文書が最も貴重である。問題は、その豊富な史料を扱い、操作する方法であり、得られたデータを総合する枠組みを如何にして構築するかにある。この結果、折角進められたデータも十分活用されていないというのが、現状である。そしてこうした旧態依然たる方法が続いている背景には、1930年代の党指導部の動向に関する史料が極度に限定されてしまうことに起因している、ということが、これまでの研究の整理から確認することができた。こうした研究史上の困難からの打開策としては、党指導部の動向に関する史料が比較的豊富であるレーニン存命中の1923年まで、あるいは1929年までを、他面的に研究することがぜひとも必要となっている。この点に関して、これまで幾度か、ロシア革命直後や1920年代初頭の時期について研究会で口頭発表を行った。
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