Project/Area Number |
62520015
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Public law
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Research Institution | Seinan Gakuin University |
Principal Investigator |
大内 和臣 西南学院大学, 法学部, 教授 (20069678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古賀 衞 (古賀 衛) 西南学院大学, 法学部, 助教授 (40128640)
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Project Period (FY) |
1987 – 1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1988: ¥300,000 (Direct Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | EC法 / 慣習法の形成 / 地域的国際法 / 地域統合 / 地域統合秩序 |
Research Abstract |
本年度は、前年度に収集した資料の分析と整理を行なった。その結果、ほぼ以下のことが明らかとなった。根拠となる判例の検証が終わり次第、論文として公表するよう予定している。 ECの基礎となる諸条約によって定められた手続では、EC法が加盟国国内で統一的に通用されるよう企図されている。しかし、基本的には加盟国の自発的意思を前提とするものであり、かつ、加盟国の裁判制度にも影響を受けることに注意しなければならない。EC法の通用に際しては、加盟国が伝統的に有する法律文化が障害となることもある。とくにEC法の初期、1960年代には加盟国の国内裁判所裁判官や法律家たちは、ECの諸条約が定める統一的な規則、手続に慣れていなかった。しかし、1980年代に入って、国内法とEC法の齟齬がある場合、加盟国裁判所は自国法の伝統に影響されつつも、EC法の権威を認めようとするに至っている。そして、国内裁判所で直接EC法を適用するための司法手続が整備されつつある。国内裁判所の裁判官も、基本条約等の要件及びEC裁判所の判決を尊重する傾向が定着しつつある。 国内裁判所がEC法を適用する場合、その国の社会的、政治的環境に影響されることも多い。とくに、EC法の適用例及び対象が拡大するにつれて、ヨーロッパ統合の促進と加盟国の国家的一体性の確保との間に相剋が見られる。諸国の裁判官たちは、EC法の適用について自国政府の解釈を支持する。このような政治的傾向は多くの判決の中に見出される。この傾向は、行政裁判所の判決に比較的強いように思われる。 今後の研究の方向として、上記の傾向が加盟国各々、または係争事件の種類によってどのように異なるか、またその理由について分析を進めたい。ともかく、できるだけ多くの判例を基礎にするよう心がけたい。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)