Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 隆次 千葉大学, 法経学部, 助教授 (10113870)
南塚 信吾 千葉大学, 文学部, 助教授 (50055315)
岩田 昌征 千葉大学, 法経学部, 教授 (60125284)
前田 康博 千葉大学, 法経学部, 教授 (00008955)
溪内 譲 千葉大学, 法経学部, 教授 (70009778)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
この研究は, ソ連・東欧・中国・第三世界諸国の社会主義憲法を, その「制度」としての法制的性格と, 現実の政治過程における運用の双方を照合することによって, 画一化された「社会主義体制論」を越えた動態的な社会主義論の再構成を目指するものであった. 本大学法経学部学科政治学研究会をベースとして七回の研究会をひらき, 社会主義圏の(1)代議制の制度と運用(2)政党システムの形態, (3)政策形成と相互調整における法規範の運用と拘束, の三点を共通項目として, a.ソ連, b.中国, c.ハンガリーとユーゴスラビア, d.キューバを対象に研究報告と討論を行った. その過程で明らかになったのは, なによりもソ連一国を例外として, 社会主義国の憲法研究そのものがきわめて手薄であり, 法制度的な研究さえなされてはいない, という点であった. 更に, ソ連に中国を加えて例外とすれば, 社会主義圏の政治的動態の研究は, 「クレムノロジー」的研究すらも数少ない, ということも明らかとなった. 従って, 「現存社会主義」体制の実証的分析を法制度側面を通して明らかにするという初期の計画は変更せざるを得ずむしろ「現存社会主義」体制分析の基礎となる研究方法の設定に課題を縮小せざるを得なかった. とはいえ, そのような視点からソ連一国にとどまらない社会主義諸国の政治体制を包括的に分析する渓谷教授の玉稿を得る事ができたのは, この共同研究の大きな成果であった. また, 「国制」としての憲法は思想としてのナショナリズムと切り離して考えることができないのが現状である. この点につき, 社会主義国ではなく日本を事例としてではあるが石田教授が社会主義と国家主義について広汎な歴史的展望を明らかにされたことは, 今後の研究の前進に大きな影響を与えることとなろう. 以上はすでに公刊された研究成果であるが, ソ連・中国の憲法体制と代議制についても論文発表が予定されている.
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