漁業資源管理モデルの研究における統計的決定理論の応用
Project/Area Number |
62530009
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
統計学
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Research Institution | 東京水産大学 |
Principal Investigator |
山田 作太郎 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (60017077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜本 和美 東京水産大学, 水産学部, 助手 (60111689)
平山 信夫 東京水産大学, 水産学部, 教授 (00017039)
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Project Period (FY) |
1987
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1987)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1987: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 漁業資源管理 / 管理因子 / 統計的決定理論 / アワビ漁業 / 事前情報 / 評価関数 / モニター因子 |
Research Abstract |
我々の研究テーマを成就する上でポイントは(1)事前情報の利用・数量化, (2)評価関数の決定であることをセミナーを通じて確認した. これらを中心課題として岩手(4漁協), 秋田(1漁協)地方のアワビ漁業の実態調査並びに現地の漁業者・研究者と意見の交換を行った. まず岩手地方では, 近年アワビの漁獲は稚貝の放流が活発に行われているにもかかわらず不振である. ここではアワビ資源変動に影響をもつ因子として水温, 漁獲, 放流量, 飼料, 害敵生物, 密漁等が考えられるが, データが不定していてモデル化が難しいことから, 後半の3つについては管理操作因子(モデルの上での)から除いた. そして操作因子として放流量, 漁獲の2つにしぼり, その時水温はは事前情報(モニター因子)として利用することとした. そして「水温を事前に予測しそれをもとに放流量を決定し, 次に実際の水温がアワビにとって不都合なほど低く現われたらその放流資源は漁獲よりもむしろ再生産への寄与だけを期待し, 実際の水温がアワビにとって好適に現われたらその放流資源は出来るだけ漁獲する(回収率を高める)」ということを表現する管理モデルを作製した. このモデルの特徴は回収を第一に考えていることと, 管理因子(放流と漁獲)を水温の予測と実際に応じて操作することである. この時の評価関数は, 現地調査に従って, 収入金額を採用した. 秋田地方ではやはり水温は重要な因子であるが, ここではカキ等もアワビと同時期に採捕しており, 管理を考える上で大切な漁獲効率がこれらの価格及び漁場の自然的条件によりどのように変動するかを解明するのが一つの問題である. これについてのモデルの作製を行った統計学での回帰分析に相当するように見えるが漁獲効率そのものの値は観測できないので難しい問題である. 今後の課題としては(1)水温の予測モデルの精密化(2)管理のための評価関数の表組の精密化(特に複数年級群の問題)(3)昔からある問題だが, 漁獲と資源保護のtrade offの問題(これは決定理論的には2つの損失(評価)関数をもつ問題)等があげられる.
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)