年金制度が貯蓄と雇用に及ぼす影響についての理論的・計量的研究
Project/Area Number |
62530024
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
経済事情及び政策学
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
高山 憲之 一橋大学, 経済研究所, 助教授 (30102940)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇野 富美子 一橋大学, 経済研究所, 助手 (20017669)
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Project Period (FY) |
1987
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1987)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1987: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 年金 / 年金受給者 / 貯蓄 / 実物資産 / ストックのフロー化 / 雇用 / ノッチ問題 / 引退促進効果 |
Research Abstract |
1.日本の年金受給者は, 働いているかぎり貯蓄を積みましている者が多い. ただし就労収入が少ない者の中には貯蓄をとりくずす者もいないわけではない. 他方, 就労していない年金受給者の場合, 若干ながら貯蓄のとりくずしが行われているようである. 2.年金保険料拠出中の者の貯蓄は, 年金制度に対する信頼度が何歳程度まで生きるか, 子供をたよることができるか, 持家を保有しているか等々の要因によって左右されると思われる. 年金制度に対する信頼度がませば, 若年・壮年層の貯蓄は減る可能性がある. 3.日本の年金受給者は, 資産保有という点に関するかぎり, かなり恵まれた状況にある. 年金受給者のほぼ9割は持家に住んでおり, その資産価値はかなり高い. 東京都を例にとると, 持家の平均資産額は昭和63年1月1日現在で1億円前後に達していると考えて大過ないだろう. 他方でも1500万円前後の持家資産を保有している者が結構多い. また金融資産も平均で1000万円あまりを年金受給者は保有している(昭和59年現在). ただし老後はばらつきが大きく, 平均値が通用しないので, この点注意が必要である. 4.日本の年金受給者はストック保有という点では恵まれているものの, ストックのフロー化を促す手段にはこと欠いている. 今後は, その手段の開発が望まれる. 5.年金給付の充実は, 年金受給開始とともに就労からの引退をもたらす効果がある. この点は日本でも確かめることができる. 年金月額13万円前後が, 1つの境目になっているようである. また, いわゆるノッチ問題は日本でも生じており, 給付率8割で賃金月額9万円強を選好する者が少なくないようである.
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)