先進国と中進国のマクロ経済の調整プロセスの比較(日・米・ブラジル・韓国を中心として)
Project/Area Number |
62530028
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
経済事情及び政策学
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
井川 一宏 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (80031392)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 一夫 神戸大学, 経済学部, 助教授 (90160746)
西島 章次 神戸大学, 経済経営研究所, 助教授 (70116234)
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Project Period (FY) |
1987
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1987)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1987: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 資本移動 / 変動レート制 / 金融政策 / 財政政策 / 累積債務 / 開発途上国 / 中進国 / ラテン・アメリカ |
Research Abstract |
1970年代の石油危機に続く世界的スタグフレーションと, 1980年代における経常収支の不均衡に対して, 各国は種々の調整を強いられている. とりわけ, 日米間では貿易収支の不均衡が貿易摩擦をもたらし, 日本の内需拡大とアメリカの財政赤字の削減という政策メニューが必要とされるに至っている. 他方, 貿易不均衡は日米間だけでなく, 台頭するアジアNICsとアメリカあるいは日本との関係も重要となっている. また, 開発途上国の累積債務の問題も世界的不安定性を増す要因であり, その調整も検討されなければならない. これらの課題に対して, 理論的・実証的な分析を行うことが本研究の目的であった. 研究の結果得られた新しい知見は次のとおりである. 1.日米間の調整においては, 変動レート制下の資本移動の程度が重要であり, 資本移動が完全であると, 財政政策は経常収支に強く作用し, 金融政策はその国の所得に相対的に強く影響する. 経済政策の効果は, まず金融市場へのインパクトから波及してゆく. 2.日米間の不均衡が是正されたとしても, 韓国・台湾などのNICsは通過をドルに釘付けしているので, NICsと米国間の不均衡が残り, その調整が必要となる. 同時に日本とNICsの間の調整も必要となる. 3.ブラジル等で実施された経済安定化政策を検討して, 次の点がわかった. すなわち, 伝統的マネタリズムの考えとは違って, 安定化政策による価格調整にはラグがともなうため, リアル面のコストが避けられない. 金融市場の未発達を考えるとオーバー・キルも生じる. また財政赤字の健全化は, 需要圧力の低下とクレディビリティの維持のために必要である.
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)