Research Abstract |
組織の創造性を調査するために, 技術研究所における組織構造とシステムに重点をおいて研究した. 創造性についての仮説を設定し, 41の質問を内容とする郵送質問を行った. 497の研究所に発送し, 152の研究所より回答をえた. この結果の分析は, まだ進行中であるが, 次のことが判明した. (1)異質の能力の組み合わせは, 組織の創造性を高めるが, 異質の能力として, 補完的能力とアプローチの違いは望ましい. 価値観の違いは必ずしも望ましくない. (2)すぐれた研究者の関心をもつ専門領域は2つ以上であることが多い. (3)すぐれた研究者の社内と社外での専門についての友人の数は15人〜21人であり, 社内外に人的ネットワークをもっている. (4)研究所の技術研究の方針としては, 独創と追随との混合とを強調するところが多い. (5)研究テーマの設定は, 「研究」では研究者の発想をもとにして調整する場合が多く, 「開発」では戦略にもとづいて設定する場合が最も多い. (6)研究テーマと個人の関心との一致では, 適材の配置, 関心とテーマの一致, 説得の三つがほぼ同じ割合をしめる. (7)いわゆる密造酒又はアングラ研究を許す研究所は全体の約60%(制限つきを含めて)をしめており, その効果については意見が相半ばする. 15%原則については, 30%の研究所がもっており, その時間の割合は約18%の時間の割合である. (8)ゲートキーパーは約60%の研究所に居る. それを重視することが多い. また内部のコミュニケーションをはかるための発表会を年8回〜10回もっている.
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