Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 晴子 千葉大学, 理学部, 助手 (50009057)
沢栗 利男 千葉大学, 工学部, 講師
中川 潤一 千葉大学, 理学部, 助教授 (30092076)
柳原 二郎 千葉大学, 理学部, 教授 (70009041)
浅井 晃 千葉大学, 理学部, 教授 (30009039)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
数理統計学における構造安定性の研究としては, 従来からロバストネスの解析として知られる研究があったが, これ以外にも与えられたデータの微小変化による影響を数値的に検討する研究が, 特に計量経済学るおける回帰分析のモデルを用いて行われている事が判った. しかし理論的観点からの研究はほとんどなく, 又極めて難しいと考えられた. そこでまず研究の第1歩として, 両側指数分布やガンマ分布, ベータ分布の母数に対する最尤推定量(MLE)の, データの微小変化に対する安定性について検討を行った. その結果両側指数分布の位置母数については, データ空間において上記の意味での特異点は存在しない事が判った. さらに同様の解析手法を指数型分布族fy(y;ξ)=exp〔yξ-b(ξ)+C(y)〕のcanonical parameterξに対するMLEの安定を調べるのに適用したところ, fyの平均μ(ξ)がξの狭義単調関数ならば, データの連続的な変化に対してξのMLEの値が不連続に変化する事はないことが判った. 従って正規分布, ポアソン分布, 2項分布, ガンマ分布, Inverse Gaussian分布等のcanonical panameterに対するMLEは安定である事が判った. 次に標本調査論における安定性の問題として補助情報を用いた最適層別の安定性について解析を行ったところ, 補助変量の目的変量の上への回帰関数の推定誤差や標本配分方法, 層別点の微小変化の影響は最適値の近傍では小さく, 特にネイマン配分の場合には実際上ほとんど影響のない事が判った. 第3に重回帰モデルに基づく窒素酸化物濃度の1時間値の予測方式の安定性について, 主成分回帰分析等を用いて詳細に検討を行い, 標本域の予測域の喰い違いを十分に考慮すべきである事を理論的に示し, 実際データによる数値的解析も十分に行った. その他計量経済学や数理計画法等における数学モデルの安定性についても検討を進めたが, 現在までのところ特筆すべき結果は得られておらず, これらについては今後の研究課題としたい.
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