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¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
A型特異星で期待される強い双極磁場のもとでの非動径振動についての定式化を行なった. このような場合, 磁場および自転の無い場合と違い, 振動の固有関数が, 異なるlの値を持つ球面調和関数Ye^mに比例する項の無限和で表わされる. 従って, 数値計算の際には, 経済的要請から, 数個の項だけしか考慮する事ができないが, この事が, 以前のB型星の場合よりも一層困難な問題であることがわかった. B型星の場合には, 大きな対流核における振動対流と外層の非動径振動との相互作用が重要であったため, たとえばm=2のモードに対しては, l=2, 4,6までの項を考慮すれば十分であった. このA型特異星における振動においては, 表面近くにある比較的薄い対流層における振動対流との相互作用を考えるので, たとえばm=2としてもlの値が非常に大きな項も重要になる可能性があり, どの項を数値計算に考慮するべきであるか, 又は, このような展開が良くないのであるか未解決のままである. この問題は将来にわたっても考えて行く予定である. 以上の困難のため, A型特異星の非動径振動によるスペクトル線輪郭の変化の計算は出来なかったが, 比較的簡単なB型星の振動によるスペクトル線輪郭の変化の計算を行った. 自転と磁場が振動数に及ぼす影響を摂動論を使って定式化し, それを非動径振動をするA型特異星の一つであるHR3831に適応した. ヘリウム星の振動安定性およびその周期を数値計算によって求め, 観測量と比較する事によりヘリウム星の質量を求めた. 超新星SN1987Aが爆発までにたどった進化を明らかにするために, 大質量で, しかも含有金属量の少ない物質から成る星の進化を計算し, どのような条件のもとで青色超巨星段階が爆発直前の状態となり得るかを明らかにした.
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