南極成層圏の温度降下に与える大気重力波の特殊な効果に関する研究
Project/Area Number |
62540304
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
気象・海洋・陸水学
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 浩 名古屋大学, 水圏科学研究所, 教授 (00115594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 大学 山口大学, 教育学部, 講師 (30183982)
小野 晃 名古屋大学, 水圏科学研究所, 教授 (50111860)
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Project Period (FY) |
1987 – 1988
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1988)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1988: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 南極成層圏 / オゾンホール / 極渦 / 大気重力波 / プラネタリー波 / 大気大循環モデル / 波の飽和 / 突然昇温 |
Research Abstract |
初年度には準地衡風近似モデルに基づいて、半球規模の中層大気大循環モデルを作製した。そのモデルでは経度方向に平均した量とプラネタリー波として1個の波数のみを使用した。したがって、波と平均場との相互作用だけで、波と波の相互作用は省略されていた。それにもかかわらず、プラネタリー波を飽和させることによって、南極成層圏の極渦が強化され低温が維持されることがわかった。特に、気候値としての南半球の極夜ジェットの強さと対流圏から侵入するプラネタリー波の強に依存して、極渦の状態は変化することも理解できた。 今年度は準地衡風近似の制限をはずしてプリミティブ方程式系による同様のモデルを開発した。このモデルは前のモデルで省略されていた波と波の相互作用を含んでいることが特徴である。したがって、これまでのように強制的に波を飽和させる必要がなくなり、自動的に各波数のプラネタリー波の振幅は調整される。 北極成層圏ではオゾン減少はあまり顕著ではなく、オゾンホールはもっぱら南極成層圏で卓越している。この理由をモデルで調べることが本研究の主たる目的である。極渦が南極で安定強化されるのは、南半球の極夜ジェットの風速が北半球に較べて1.5倍以上も大きいためである。この強いジェットを北半球より弱いプラネタリー波によって十分減速し東風にすることができず、極夜ジェットを2つに分裂はさせるが極周辺では依然として強い西風が維持強化される。波数1のプラネタリー波を強制した場合、極周辺の西風を安定して維持するのは波数2以上のプラネタリー波であるという重要な知見が得られた。 本研究課題では、大気重力波が主な役割をしているように書いてあるが、研究の結果としてむしろプラネタリー波がもっとも重要であり、大気重力波は二次的であることも推測できる。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)