ケイ素やリンを含む不飽和化合物の励起状態の理論的研究
Project/Area Number |
62540321
|
Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物理化学一般
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
永瀬 茂 横浜国立大学, 教育学部, 助教授 (30134901)
|
Project Period (FY) |
1987
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1987)
|
Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | ケイ素-炭素2重結合 / 励起エネルギー / 1, 2-シリル基移動反応 / シランラジカルカチオン / ヤーンテラー効果 / 解離反応 |
Research Abstract |
(a)シレン(H_2Si=CH_2):MR-CI法によりシレンノ一重項と3重項状態の各々に関して焼く15個の原始価状態とリドベルク状態を明らかにした. その結果, 励起エネルギーばかりでなく, 状態の順番も対応するエチレン(H_2C=CH_2)のものとは著しく異なることを見出した. 特に興味ある事実は, ケイ素-炭素2重結合化合物では, 炭素-炭素2重結合化合物とは異なり, 一重項状態のπ→π^〓遷移とπ→a^〓遷移とがほぼ同じ励起エネルギーを示すことである. この縮重して2つの状態は, ケイ素-炭素2重結合化合物の光反応を考える上で重要な役割を果たすと思われる. ジシレン(H_2Si=SiH_2)とジフォスフェン(HP=PH)の励起状態に関しては現在検討中である. (b)シラノン(H_2Si=O):1重項状態と3重項状態での1, 2-R基移動によるシラノンのシリレンへの異性化反応の遷移状態と反応障壁を理論計算により明らかにした. 反応障壁は1, 2-F移動の場合で最も大きく, CH_3>H>SiH_3>SiF_3の順に減少する. 1重項状態では, SiF_3基移動の場合でも焼く18kcal/〓〓〓もの反応障壁があるが, 3重項状態では, 1, 2-シリル基移動はほとんど反応障壁無しで進行することを見出した. (c)シランカチオンラジカル:SiH_4及びSi(CH_3)_4の縮重した最高被占軌道から電子を1個取り除いて得られるカチトンラジカルの安定構造及び解離反応に対する安定性を明らかにした。SiH_4^+の場合、Cs構造が最も安定で、Cs>C_<2v>>C_<3v>>D_2dの順に安定性が減少する。しかし、Si(CH_3)^+の場合、最も安定なのはC_<3v>構造で、C_<3v>>C_<2v>>Csの順に安定性が減少する。SiH_4^+はSiH_2^+とH_2などに容易に解離するが、Si(CH_3)^+はフラグメンテ-ションに関して、相当に安定であることを見出した。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)