Project/Area Number |
62540339
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
物理化学一般
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
佐野 瑞香 熊本大学, 理学部, 教授 (20017312)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 英興 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (30011000)
今福 公明 熊本大学, 理学部, 助教授 (20040115)
松崎 晋 熊本大学, 理学部, 助教授 (00109638)
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Project Period (FY) |
1987
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1987)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | グラファイト膜 / 黒鉛層間化合物 / 電気抵抗値 / ラマンスペクトル / 水素吸蔵 / 陽電子消滅スペクトル |
Research Abstract |
ポリ(p-フェニレンー1, 3, 4-オキザジアゾール(POD)を塗布して薄膜とし, 1000°Cに加熱して熱重合し, さらにアルゴン雰囲気中で2800°Cに加熱してグラファイト膜を作った. 膜厚は黒鉛化によりPOD膜から約20%減少するが, 1.2, 2.5, 3.5μmのものを得た. 短冊型試料(3×20mm^2)の電気抵抗値を四端子法で測定したところ, 300kでは9.6〜13×10^<-5>Ωcmであり, 77kに冷却すると約45倍増大した. 天然黒鉛片を成型したグラフォイルの電気抵抗値は70×10^<-5>Ωcmであり, 本グラファイト膜の方が電気伝導性の良いことがわかる. しかしその温度変化はこの温度範囲でいずれも金属的特性を示していない. 排気した封管中で金属カリウムとともに250°Cに加熱したところ, 美しい黄金色の薄膜となった. これはステージ1の層間化合物KC_8が形成されたことを示している. グラファイト膜のラマンスペクトルを488nmの励起光で測定したところ, 1580cm^<-1>に1本のシャープなピークが現われた. カリウムとの層間化合物のラマンスペクトルは1450cm^<-1>付近に最大強度をもつFano型のスペクトルを示した. このKC_8膜の電気抵抗値はグラファイト膜の約1/2で, グラフォイルから合成したKC_8より電気抵抗値の減少率が小さい. 以上のことはグラファイト膜が充分黒鉛化の進んだものであり, しかも結晶子間の接触および配向の良いことを示している. KC_8に室温で水素ガスを導入すると, グラフォイルから合成したものでは約1週間で青色になるが, このグラファイト膜から合成したものでは膜厚1.2μmであるのにもかかわらず青色に変化するのに10週間要した. 水素を吸蔵したRbC_8の陽電子消滅スペクトルを測定したところ, 水素は300kでは原子, 373kでは水素化物イオンの形で存在することが明らかになった. さらに薄い膜を作成するためには, 延伸状態での炭素化, 黒鉛化の技術の が必要である.
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Report
(1 results)
Research Products
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