電子移動で誘起されるシクロプロパン環の開環反応とこれを利用した有機合成反応
Project/Area Number |
62540362
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
有機化学一般
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
村上 正志 北海道大学, 理学部, 助手 (60002375)
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Project Period (FY) |
1987
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1987)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | スピロ活性化 / 環化付加 / 〔σ2+π2〕付加 / 一電子移動 / カチオンラジカル / 酸化還元電位 / シクロプロパン環 |
Research Abstract |
1.スピロ型にフルオレン環が結合した各種のシクロプロパン誘導体について, それらとTCNE.DDQ, クロラニルとの反応を検討した結果, 反応基質の酸化電位と反応試剤の還元電位の電位差が約1V以下である場合には反応が起り, TCNEとの反応では5員環付加生成物が, DDQやクロラニルとでは開環と脱水素反応が起ることを見い出した. 次に立体的な因子を明らかにする目的で1, 2ジシクロプロピル置換体とTCNEの反応を検討した. 1, 1ジシクロプロピル置換体とTCNEの反応が非常に速いにもかかわらず, この1, 2-置換体とTCNEの反応は非常に遅く, しかもトランス体とシス体とではシス体の反応性が大であった. 以上のことなどより, これらの反応はまず反応基質の一電子酸化によるカチオンラジカルの生成とその開環過程を経ることを提唱し, 開環過程では立体的な因子が重要であることを指摘した. 2.この種の反応に対するルイス酸触媒反応に関連して, アミニウム塩存在下の反応を検討した. その結果生成物の収率の上昇, 特に重合生成物の抑制が今後の検討課題であることが明らかとなった. 3.先にも述べた様に, これらの反応基質の酸化電位と反応試剤の還元電位との電位差により反応の難易が予測されることを見い出した. さらにメタノール存在下での電解酸化反応とメタノール存在下でのDDQやクロラニルの反応において, 同一の生成物を与えたことから, 電解酸化とDDQやクロラニルの反応が電子移動による酸化といった類似点を持っていることを明らかにした.
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)