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¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1987: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
1 多架橋〔3n〕シクロファン合成の出発物質として大量に必要になる〔3.3〕パラシクロファン1__〜ならびに〔3_3〕(1,3,5)シクロファン2__〜合成法を, TosMIC法を還化反応として用いる方法により確立し, 1__〜と2__〜を大量合成した. また1__〜の合成を目標とする反応で1__〜ではなく3__〜が主生成物となる反応が見出され, 包接ホストとしての機能が期待される4__〜の大量合成が可能となった. 現在大量合成した1__〜と2__〜を出発物質として, 段階的に架橋を増やしていく方法で四ならびに五架橋シクロファンを合成している所である. これらの結果は日本化学会第55回秋期年会(1987,福岡)で報告した. 2 多架橋〔3n〕シクロファンの溶液中でのトリメチレン鎖の反転機構を調べる基礎実験として, (1)トリメチレン鎖のベンジル位の隣の炭素に2個の重水素を収率よく導入する方法を開発し, (2)トリメチレン鎖に2個の重水素を導入した〔3.3〕メタシクロファンーd_45__〜ならびに三架橋シクロファン6__〜を合成し, それらの低温におけるHNMRスペクトルを測定した. いずれの化合物でもトリメチレン鎖は室温では速やかに反転しているが, 低温では反転が凍結され, 5__〜ではchair-chairのみが, 一方, 6__〜では下図に示した様にchair-chair(6__〜a), chair-boat, ならびにboat-boat(6__〜c)の可能な三種の立体配座異性体が観測され, またこの順に存在確率が高く安定である事がわかった. トリメチレン鎖の反転に要するエネルギー障壁は5__〜で11.6kcal/mol, 6__〜で12.1〜3kcal/molと見積もられた. これらの結果は第19回構造有機化学討論会(1987,仙台)で報告した.
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