Research Abstract |
○ヒト胎児便(胎便)由来の580nmの蛍光を出す物質(F580)を, 未修飾のまま再現性よく, ほぼ単一成分として得る方法を確立した. すなわち, F580を胎便より酢酸/ブタノール(1:4)溶液で抽出後, シリカゲルカラム, フェニルセファロースCL-4Bカラム, およびセファデックスG-25カラムで精製できた. ○逆相カラムを用いたHPLC法で, イソクラティックな条件により, 様々なポルフィリン類と, F580とを分離, 分析する方法を開発した(論文作成中). この方法により, F580はヘマトポルフィリン, コプロポルフィリン, ウロポルィリン等ではないことを確認した. ○F580を重水, 重メタノール, 重アセトン, 重ジメチルスルフォキサイド等に溶かし, 400メガヘルツープロトンNMRの測定を行った. しかし, 積算を1万回以上行っても, 解析可能なシグナルは得られなかった. この理由は, F580の各溶媒にたいする溶解度が, NMR測定可能なほど十分ではないと思われる. ○ジアゾメタンを用いた, F580のメチル化を行った. F580は, 光にたいして非常に不安定ゆえ, メチル化F580の回収はほとんどできなかったが, 一応プロトンNMRをとってみたところ, ポルフィリン骨格由来のシグナルは確認できた. ○精製F580の一部を用い, ウシ血清アルブミンを担体としてF580の抗体の作成を試みた. しかし, アルブミンの性質によると思われる, F580のアルブミンに対する非特異的吸着によって, 抗体の作成は失敗した. 現在, より優れた担体を探している. ○MSによる測定は, 現在依頼中である.
|